Contents

第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

4 FMS調達の合理化に向けた取組の推進

FMS(Foreign Military Sales)(有償援助)は、米国の武器輸出管理法などのもと、米国の安全保障政策の一環として同盟諸国などに対して装備品を有償で提供するものである。FMSには、①価格が見積りであること、②前払いが原則であり履行後に精算されること、③納期が予定であることなどの特徴があるが、一般では調達できない機密性の高い装備品や能力の高い装備品を調達できる点で、わが国の防衛力を強化するために非常に重要なものである。

一方、FMSについては、納入遅延や精算遅延などの様々な課題があることは事実であり、近年FMS調達額が高水準で推移している中で、日米が協力して改善に努めているところである。

具体的には、2016年以降、防衛装備庁と米国防安全保障協力庁との間でFMS調達をめぐる諸課題について協議を行う会議(SCCM(Security Cooperation Consultative Meeting):安全保障協力協議会合)を6回開催している。

2022年2月の第6回会議においては、未納入・未精算に関し日米間での履行管理の強化を継続するとともに、未納入・未精算の縮減に向けて取組を推進していくことで一致した。

また、価格の透明性の課題については、米国防安全保障協力庁が、米国防省内の関係機関に対し価格情報や価格上昇理由の提供について指導・監督していくことを確認した。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などに起因するFMS調達物品の価格上昇の抑制に努めるとともに、価格についての予見性を向上させていくことを確認した。防衛省においては、引き続き、FMS調達の合理化を推進することとしている。

参照図表IV-4-3-2(FMSによる装備品等の取得に係る予算額の推移(契約ベース))

図表IV-4-3-2 FMSによる装備品等の取得に係る予算額の推移(契約ベース)