Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <VOICE>各国防衛駐在官の声

<VOICE>各国防衛駐在官の声

イラン
1等陸佐 金子 洋幸(かねこ ひろゆき)

正規軍と革命ガードの2つの軍が存在し、昨今の中東情勢の中心でもあるイランという特徴的な国に駐在するただ一人の自衛官として、絶えず変化する安全保障環境を肌で感じつつ、その責任の重さに身が引き締まるとともに、日本・イランの良好な二国間関係が、防衛駐在官の業務にとっても重要な基盤となっていることを実感します。またイランでは、駐在する武官団の関係が強固です。この国で、有事には祖国のために命をかける覚悟を当然のように持った各国武官などと日々交流していると、自衛官としての原点に立ち返る思いです。残りの任期、自らを見つめつつ、国益のために引き続き邁進します。

武官団との交流(自宅設宴)(筆者:右から8人目)

武官団との交流(自宅設宴)
(筆者:右から8人目)

カザフスタン
1等陸佐 出口 新(でぐち あらた)

中央アジアの雄といわれるカザフスタンの防衛駐在官として、当地におけるロシア、中国、欧米諸国等の各種軍事動向に注視する日々を送っています。帝政ロシア時代からの歴史的経緯により、ロシアとの繋がりが強固なカザフスタンですが、全方位外交を指向し日本との防衛協力促進にも熱心です。日カザフスタン関係発展のために、微力ながらも貢献できることに大きな充実感を感じています。広大な国土を有する陸軍国であるカザフスタンには、各国から多くの陸軍武官が派遣されており、日本を代表し彼らと交流することは、他では得難い経験です。

レセプションで各国武官と(筆者:左から2人目)

レセプションで各国武官と
(筆者:左から2人目)

マレーシア
2等海佐 五十嵐 尚美(いがらし なおみ)

19(平成31)年3月からインド洋と太平洋をつなぐ地政学的要所にあるマレーシアに初の海上自衛隊出身の防衛駐在官として勤務しています。防衛交流推進や国防に関する情報収集のため、海軍をはじめ国防省、シンクタンク及び各国駐在武官などとの調整や意見交換を日々行っています。特に複雑多岐にわたる調整を経て無事艦艇や航空機を出迎えるときは感慨深いものがあります。またマレーシアにおける日本への信頼感を随所で感じており、この良好な関係を更に一歩前進させる架け橋となるよう一層努力していきたいと思います。

在マレーシア大使館現地職員と筆者(筆者:中央)

在マレーシア大使館現地職員と筆者
(筆者:中央)

モロッコ
2等空佐 落合 貴史(おちあい たかし)

私は、在モロッコ大使館防衛駐在官として、17(平成29)年7月からラバトで勤務しています。

モロッコは、1956年にフランスから独立した立憲君主制国家であり、独立以降、日本とは良好な関係を維持しているとともに、地中海の出入口に位置する軍事戦略的要衝として、世界中から多くの武官が派遣されています。

現時点で両国間の防衛協力・交流は限定的ですが、19(平成31)年4月に初めてモロッコ軍将官以下66名による日本での自衛隊研修を実現できました。

引き続き、在モロッコ防衛駐在官として、両国の関係発展のために尽力したいと思います。

モロッコ軍による記念艦三笠の視察に同行する筆者(筆者:左から2人目)【公益財団法人 三笠保存会提供】

モロッコ軍による記念艦三笠の視察に
同行する筆者
(筆者:左から2人目)
【公益財団法人 三笠保存会提供】