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<解説>次期戦闘機の開発について

次期戦闘機は、航空自衛隊F-2戦闘機の後継機として、令和2(2020)年度からわが国主導の開発に着手する予定です。

防衛省としては、異なる戦闘システムを備えた戦闘機を複数機種備えることで、航空優勢を有効に獲得・維持できると考えており、長年にわたり3機種の戦闘機からなる戦闘機体系を構築しています。今後も航空優勢を獲得・維持してくために、この体制を将来にわたって確保していく必要があると考えています。F-2戦闘機は、この戦闘機体系を支える重要な戦闘機ですが、35(令和17)年頃には退役が始まる予定です。その時期までに後継機を導入し、戦闘機体系を維持していくためにも、今、この時期にF-2後継機となる次期戦闘機の開発に着手する必要があります。

次期戦闘機は、将来の脅威に対しても、常に一線級の能力を発揮していく必要があります。そのような戦闘機を開発するにあたり、防衛省が重視していることは、

  1. ① 必要な改修を必要な時に施すことができる改修の自由度と拡張性の獲得
  2. ② 国内への機体や構成システムに関する深い技術的知見の蓄積及び国内維持・整備基盤の確保
  3. ③ 開発コストや開発遅延に伴うリスクの低減

の3点です。これらの実現に向けて、米国及び英国と協議を行ってきており、20(令和2)年末までに、国際協力に関するパートナー国などの基本的な枠組みを決定する予定です。

また、機体の技術的検討、予算の執行にかかる事務、情報の保全、知的財産の管理、外国との連携など、次期戦闘機を開発するうえで発生する業務は多岐にわたります。これらの業務を効率的に実施するため、次期戦闘機開発の専従部署として、20(令和2)年4月より防衛装備庁長官官房に「装備開発官(次期戦闘機担当)」を新たに設置し、体制の強化を図っています。

次期戦闘機の開発は、防衛省のこれまでの航空機開発事業と比べても極めて大規模な事業です。防衛省としてはこの一大プロジェクトの成功に向け、企業間の連携をより一層密にし、国内企業が保有する優れた技術や人的資源を最大限効果的に活用して開発にあたってまいります。

次期戦闘機のイメージ

次期戦闘機のイメージ