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<解説>陸上自衛隊の非常用糧食について

陸上自衛隊は、平素から各種事態等発生に備えて非常用糧食を備蓄しており、隊員が災害派遣や各種訓練の場においてこれを喫食し、体力の維持・増進に必要な栄養を補充しています。非常用糧食は、3年間の長期保存が可能であり、調達後1年目を全国の補給処で保管、2年目は駐屯地で保管し、3年目に訓練等で喫食されます。献立は筑前煮やポークローストチキン、麻婆豆腐等20種類あり、隊員が毎日食べても飽きが来ないよう和洋中のバランスを考慮しています。現行の非常用糧食はレトルトパウチタイプであり、ご飯やおかずにスプーンやトレイが付いてセットになっていますが、以前は缶詰タイプ、いわゆる「缶飯」を調達していました。缶飯は昭和29年度から採用されていましたが、科学技術の進展に伴いレトルトパウチでも缶飯同等の長期保存が可能となったことから、現在では缶詰タイプは調達しておりません。通常、部隊で装備されている野外炊具でボイルして喫食しますが、加熱剤を使用して隊員自身で温めることも可能であり、いつでもどこでも温かい状態で喫食できます。献立は定期的に見直されており、栄養量及び嗜好性を向上させて今後調達される新しい非常用糧食には、パスタやパンを含む献立も取り入れる予定です。

非常用糧食の献立一例:ポークローストチキン

非常用糧食の献立一例:ポークローストチキン

喫食の風景

喫食の風景