米海兵隊第3海兵機動展開部隊 司令官(当時) 中将 ロジャー・ターナー
21世紀における抑止は、信頼性のある能力と揺るぎない意志によって実現されます。日々、第3海兵機動展開部隊(IIIMEF)の海兵隊員および海軍兵ならびに自衛隊は、不断の統合的な取組みを通じて、共同の即応態勢を鍛えるとともに、対処能力を強化しています。持続的な関与によって、私たち日米の部隊は、単に同じ場所で活動するにとどまらず、真の意味で相互運用可能となり、結束した機能として、相互に通信、展開、機動および補給を行うことができます。アイアン・フィスト、レゾリュート・ドラゴン、キーン・ソードといった演習を通じてこの統合性を実証することにより、IIIMEFと自衛隊は、日本の防衛や共通の利益を支えるために必要となる連携を示しています。これはあらゆる危機にも断固として対応するための能力の基盤であり、同盟に対するいかなる侵略も、迅速かつ統合的で圧倒的な対応によって対処されることを明確に示すものです。

アイアン・フィスト26 第31海兵遠征部隊日米共同による市街地戦闘訓練
インド太平洋地域における新たな課題に対処するため、IIIMEFの海兵隊員及び海軍兵は、機動展開前進基地作戦(EABO:Expeditionary Advanced Base Operations)能力の強化に重点を置いています。これらの取組みの中で最大のものが、毎年行われる演習のレゾリュート・ドラゴンです。2025年の同演習では、米国の海兵隊員、海軍兵、陸上兵および航空兵約5,200人に加え、約1万4,000人の自衛隊員が参加し、日本列島全域にわたりEABO及び領域横断作戦を演練しました。レゾリュート・ドラゴンにおいては、作戦レベルおよび戦術レベルの双方における日米両部隊の能力を示すことにより、私たちが同盟国たる日本とともに危機に対応する能力を具体的に体現しています。本演習において、IIIMEF隷下の第1海兵航空団および自衛隊は、日米の航空機を組み合わせて運用し、主要な陸海域に統合火力の能力を輸送して、地対艦ミサイルシステム(NMESIS:Navy Marine Expeditionary Ship Interdiction System)、統合防空システム(MADIS:Marine Air Defense Integrated System)、ペトリオット・ミサイル部隊および日本の12式地対艦ミサイルシステムなどを展開しました。日米部隊は、北海道から与那国に至るまで、戦闘力を重要な地域に迅速に展開する能力を示しました。

レゾリュート・ドラゴン25オープニング・セレモニー(筆者中央左)
さらに、アイアン・フィストのように毎年行われる演習は、日米同盟の強さを示す象徴として日米の戦略的効果を一層強化しています。本演習は、約3,500人の米軍人とそのパートナーたる陸上自衛隊の水陸機動団(ARDB:Amphibious Rapid Deployment Brigade)の隊員が参加し、その規模は、統合的な即応態勢に対する私たちの深いコミットメントを示しています。本演習では、水陸両用作戦や日米共同の地上作戦を反復して演練することにより、戦闘力を革新的に構築しています。特に、日米の結束した指揮統制能力を強化することで、通信が悪化したり遮断されたりする可能性のある厳しい作戦環境においても、水陸両用部隊が分散して展開することが可能となります。
日本が主権を有する領域を守るための自衛隊との連携は、人道支援を含むあらゆる領域の作戦に及びます。令和7年度自衛隊統合演習では、石垣島においてIIIMEFの第3海兵後方支援群および第12海兵沿岸連隊が、陸自とともに人道支援・災害救援のシナリオを訓練しました。この訓練では、患者治療のための応急医療施設の設置や、負傷者の後送に関する訓練が含まれており、高度に統合された対応能力を示しました。
日米同盟が二国間で一層強化されるなか、私たちは引き続き多国間協力の機会も追求しています。2025年に実施された第40回目の「バリカタン」では、米国、日本、オーストラリア、フィリピンから1万4,000人以上の部隊が参加し、部隊間で肩を並べて緊密に連携した訓練を実施しました。日米豪比の統合部隊はフィリピン全域において6回にわたって実施された難易度の高い全領域にわたる実動演習を通じて、防空・ミサイル防衛、着上陸対処、海上警備能力を向上させました。
日米同盟は、静的なものではなく、絶えず進化を続ける動的なパートナーシップです。アイアン・フィスト、レゾリュート・ドラゴン、バリカタンなどの演習は、日米同盟を支える高度に鍛え上げられた協力を体現するものです。将来を見据え、IIIMEFは、70年以上にわたる誇るべき歴史の上に、尊敬すべき同盟国である日本との揺るぎない連携を維持していきます。前方展開し、統合的かつ高い対処能力を有する部隊である私たちは、日本の防衛および平和で繁栄したインド太平洋に対する米国のコミットメントを体現するものです。
海兵隊は今も、そしてこれからも、「今戦う」準備ができています。