情報通信分野では、民間を中心に技術が急速に進展しており、膨大な量のデータをリアルタイムで通信し、AIなどを活用して高度に処理・分析することが可能になっています。軍事面においても、各国はこうした新たな情報通信技術を積極的に取り込んだ戦い方が顕在化しており、その結果、相手よりも迅速かつ正確に意思決定を行う「意思決定の優越」の確保がますます重要になっています。
防衛省・自衛隊としても、このような戦い方を踏まえつつ、新たな守り方を実現するため、情報通信分野における民間の革新的な技術を取り込んでいくことが喫緊の課題です。こうした問題意識を踏まえ、2025年7月、情報通信分野における防衛省・自衛隊の考えを示し、民間企業等の予見可能性を高めつつ官民の連携を深化させるため、「防衛省次世代情報通信戦略」を策定しました。
本戦略では、通信ネットワークとデータ基盤の整備を一体的に進めることにより、先に述べた「意思決定の優越」の確保を目指し、新たな防衛情報通信基盤を整備していくこととしています。具体的には、光技術なども活用した様々な通信回線を用いて網目状のネットワークを構築し、各種センサーやシューターの多様な組み合わせを可能とすることで、戦況等に応じた柔軟な運用や、どこかが途切れても常に繋がる強靱なネットワークを追求します。また、そのようなネットワークを通じて伝送される膨大なデータについて、AIを用いながら適時適切な処理・分析を可能とするデータ基盤を確保するため、現行のオンプレミス型を主体としたインフラ整備から脱却し、民間のクラウドサービスを併用するハイブリッド・クラウドへの移行を進めることとしています。
このような取組の実現には、民間企業などとの協力が必要不可欠です。民間の先端技術を活用した防衛力の強化により、民間における技術の進展にも寄与し、民間技術が防衛力を支え、防衛力の更なる強化につながるといった、防衛力と経済力の好循環を実現していく考えです。

新たな防衛情報通信基盤のアーキテクチャのイメージ