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第V部 人的基盤の強化

2 事務官・技官・教官など

事務官は、本省、防衛装備庁の内部部局などで防衛行政や自衛隊の運用をはじめ安全保障政策全般に関する様々な政策の企画・立案を担うほか、情報本部における国際情勢の収集・分析・評価、全国各地の部隊や地方防衛局などでの行政実務を担っている。

日本周辺には、核兵器を含む大規模な軍事力を有する国家や地域が複数存在し、軍事活動の活発化の傾向が顕著となるなか、政策で平和を創り、この国を守り未来に繋げていく各種防衛政策のスペシャリストである事務官の活躍がますます期待されている。わが国の国益に適った防衛政策には、それを立案する適切な組織、人材が必要不可欠である。さらに自衛隊を運用していく上で法令の裏付けも欠かすことができない。そして国民の信頼・理解があってこその防衛省・自衛隊であることから国民への説明、情報発信も求められる。国家間のパワーバランスの複雑化や宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域の利用が急速に拡大し、これまでの安全保障のあり方が大きく様変わりしている。このような変化の激しい時代の中でも、日本の平和と安全を守るため、様々な安全保障上の課題に対応している。

また、全国様々な駐屯地や基地などで部隊行動の基盤を確立するための実務を行う。例えば陸上自衛隊の駐屯地に設置される駐屯地業務隊では、駐屯地および演習場施設の維持管理機能に関する業務のほか、所属隊員の福利厚生業務などを行っている。

また、海上自衛隊の補給処においては、航空機に搭載される機器部品の必要な数量の算定・調達などの業務がある。さらに航空自衛隊においては、地上にあるレーダーや無線機などの整備や修理をするために企業との契約手続を行う事務などを担当する。

これら以外にも各自衛隊の中央機関である幕僚監部において、様々な計画の立案などを行うとともに、省内各機関のみならず、他省庁との調整も行いつつ、各自衛隊の運営基盤の整備に携わる。また、自衛隊と地域社会をつなぐ総合窓口である地方協力本部においては、自衛官に対する自衛隊への入隊・入校から離職後に至るまでの支援を行う。

防衛省・自衛隊の各組織を結び付け、それぞれが機能を発揮できるように事務官は大きな責任を果たしている。

技官は、本省、防衛装備庁の内部部局などで防衛施設(司令部庁舎、滑走路、火薬庫など)や防衛装備品などの物的基盤に関する各種政策の企画・立案を担うほか、情報本部における先端技術情報の収集・分析・評価、全国各地の部隊や地方防衛局などでの行政実務、防衛施設の建設工事、自衛隊の運用に欠かせない装備品の研究開発・効率的な調達・維持・整備、隊員のメンタルヘルスケアなどに従事している。

日本の平和は、全国約24万人の自衛隊員と、この巨大な組織を運用するための仕組みだけでは実現できない。わが国の防衛は、駐屯地・基地などの防衛施設や、車両・艦船・航空機などの装備品があってこそ実現するものである。技官は、いかなる事態にも対応できるよう、防衛省特有の多種多様なこれら物的基盤を安定的に確保するために技術力で日本の平和に貢献する。

そして技術的な知見を背景に装備品にかかる各種政策の企画・立案や理工学の幅広い知識に基づいた数理的分析評価の手法を通じ、部隊運用や防衛力整備に向けた能力分析を行うなど技官の活躍の場は拡大を続けている。刻々と変わる新しい脅威により国民を守るための防衛力を発揮する機能が失われないよう、防衛施設、装備品を通してこの国の安全保障を支えている技官の存在は防衛省・自衛隊に不可欠である。

教官は、防衛大学校、防衛医科大学校や防衛研究所などで、安全保障に関する幅広い分野の高度な研究や、隊員に対する質の高い教育を行っている。

近年、自衛隊には任務の多様化や国際化などに柔軟に対応する質の高い人材の確保が求められている。自衛隊創設から70年のなかで培われたノウハウや先人たちによって築き上げられてきた経験が教官を通して組織に受け継がれてきた。教官の持つ優れた専門知識は国家安全保障に大きく貢献している。