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第IV部 防衛生産・技術基盤の強化

4 防衛科学技術委員会の設置

防衛省・自衛隊は、歴史的経緯や戦後の様々な制約を踏まえ、その任務を限定的かつ抑制的に遂行してきた。このため、国家全体の安全保障や国力の向上といった広範な視点は十分に育まれてこなかった。結果として、装備品の機能・性能といった自衛隊内部の要請に基づく検討が重視される傾向があった。しかしながら、近年政府全体に占める防衛省の役割や予算規模が拡大している現状を踏まえれば、それでは不十分であり、防衛力の整備を通じた科学技術の発展が国家全体の発展にどのように寄与しうるかという観点をあわせ持つことが、今後ますます重要となる。

このような課題を踏まえ、防衛省が直面する今後の科学技術と安全保障に関する諸課題を検討するにあたっては、国家全体への波及的効果も見据えた広い視座の確立が不可欠である。そのためには、防衛省内にとどまらず、部外の多様な主体との連携や広範なコミュニティとの協働を図り、防衛力の整備を通じた科学技術力の向上がわが国全体の国力向上にも資する構造を構築していくことと、それを支える体制を構築していくことが求められている。

このような背景のもと、科学技術と安全保障にかかる諸課題について、防衛大臣に対し必要な助言や提言を行う恒常的な会議体として、防衛科学技術委員会(DSTB:Defense Science and Technology Board)が2025年6月に設置された。DSTBは、AIや宇宙、サイバーなどの分野を中心に科学技術に精通した学識経験者および実務経験者などから構成され、2026年3月までに計6回会議が行われている。