わが国は、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。わが国周辺国などは、この10年で軍事的な能力の大幅な強化に加え、ミサイル発射や軍事的示威活動を急速に拡大・活発化させています。
2022年12月に国家安全保障戦略が新たに策定されました。
巻頭特集1では、安全保障環境や防衛力整備、同盟国や同志国などとの連携について、2013年(前国家安全保障戦略策定時)以前と2022年(現国家安全保障戦略策定時)までの「変化」に注目しました。
防衛力は、わが国の安全保障を確保するための最終的な担保であり、わが国を守り抜く意思と能力を表すものです。これはほかの手段では代替できません。その「最後の砦」として中核を担うのは自衛隊です。この防衛力については、わが国は戦後一貫して節度ある効率的な整備を行うものとしてきました。
厳しさを増す安全保障環境を現実のものとして見据え、25防衛大綱及び30防衛大綱のもと、真に実効的な防衛力を構築することとし、防衛力を強化し、国民の平和な暮らし、そして、わが国の領土・領海・領空を断固として守り抜いてきました。
しかしながら、わが国周辺国などが軍事力を増強しつつ軍事活動を活発化させています。今後の防衛力については、いついかなるときも力による一方的な現状変更やその試みは決して許さないとの意思を明確にしていく必要があります。
いまや、どの国も一国では自国の安全を守ることはできません。
わが国の安全保障の基軸である日米同盟を深化させつつ、諸外国との協力を強化してきました。