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<解説>防衛省気候変動対処戦略について

わが国においては、気候変動の進行により、今後、災害の更なる激甚化・頻発化や異常高温などが予測され、その結果、基地などの施設や防衛装備品、自衛隊の運用、隊員の健康などに影響を与えるなど、自衛隊の活動に対して様々な制約や障害、支障が顕在化することが予想されています。また、世界の各地で起きた気候変動は、水や食料不足、生活環境の悪化を招き、ひいては、大規模な住民移動や限られた土地や資源を巡る争い、社会的・政治的な緊張を深刻化させるおそれがあるなど、安全保障上のリスクとなっています。このように、気候変動の問題は、将来のエネルギーシフトへの対応も含め、わが国の安全保障に影響を及ぼす、安全保障上の問題となっています。

防衛省では、今後予測されるあらゆる環境下においても、引き続き防衛省・自衛隊に与えられた任務・役割をしっかりと果たしていけるよう、気候変動が今後与える直接的・間接的な影響に対し、適切に対処していくことなどを目的として、「防衛省気候変動対処戦略」を2022年8月に策定しました。この戦略においては、気候変動への対処を防衛力の維持・強化と同時に進めることを目指し、防衛省において今後推進すべき10の具体的な施策を掲げています。

防衛省は、気候変動への対応を、将来を見据え、より強靱でレジリエンスが増し、効率的な施設・装備にするチャンスであるとの考えのもと、戦略に基づき、気候変動対策と防衛力の維持・強化を同時に図っていくこととしています。

空自は、2022年11月、政府専用機の運航時において、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)注を初めて使用しました。(2023年1月の運航時においてもSAFを使用。)

空自は、2022年11月、政府専用機の運航時において、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)注を初めて使用しました。(2023年1月の運航時においてもSAFを使用。)

注 主にバイオマス由来原料や、使用済み食用油などが原料とされる燃料