防衛省・自衛隊東京地方協力本部 隊員コラム
横須賀を離れてまもなく一年、
馴れない広報官業務と都会の人の海を単艦航行する私は気が付けば楽園を求めて人も少なく、
空気も清らかな山梨県の温泉を目指して車を走らせていた。
私が湯治と称して温泉巡りを始めたのは海上自衛隊に入隊してからのことである。
護衛艦での勤務中は海水を沸かした湯船に浸かり、
体を洗ってすぐに出るという入浴スタイルが続く。
そのためか寄港地に入港しては各地の温泉を巡り、心を癒していた。
それ以来私は休暇等で時間を見つけては温泉にあしを運んでいる。
特に海から遠く離れた山梨県、長野県の温泉は陸が恋しい私のお気に入りである。
今回の目的地は河口湖沿いにある温泉旅館。
都会から離れていく景色を横目に早く着きたい気持ちを抑えて運転した。
現地に到着後はカチカチ山の舞台である天上山をロープウェイで登り、
河口湖を一望しながらカチカチ山の物語に酔いしれた。
夕方、宿にチェックインするとともに温泉へ急行した。
体を洗い、浴場に漂う湯気に誘われながら湯に浸かった。
河口湖を一望する貸し切り風呂はまさに楽園であった。
また業務を頑張ろうと思える湯治となった。