広報
防大かわら版vol.163

掲示内容一覧
- 棒引き競技会所感
- 開校祭棒倒しを終えて
- 開校祭演劇祭を終えて
- 校友会紹介(女子フィールドホッケー部・紅太鼓同好会)
棒引き競技会所感
前岨 学生
防衛大学校に女子学生が採用されてから32年にして初めて、女子学生だけが選手として参加する棒引き競技会が開催されました。棒引き競技会の開催が正式に決定したのは今年の6月であり、準備期間が極めて短い中で学生隊責任者を初めとする多くの方の努力により開催は実現されました。まずは、棒引き競技会開催に向けて尽力してくださった全ての方に感謝を述べたいと思います。
大隊カラーが赤である第1大隊の棒引きチームは『赤い時代の幕開け』を掲げ、初代王者になるべく始動しました。前例がない中で、組織の構成、練成計画、作戦、雰囲気作り、全てを一から作り上げる必要がありました。初代王者になると決意したからこそ、チームを率いる私が大切にしたことは、「その瞬間にできる最大限の努力をし、努力をさせる」ということです。私たちは与えられた全ての時間を練成に費やし、強度の高いメニューを行いました。なぜ優勝できたのかを振り返ると、練習量と強度、すなわち努力の量が他のチームを上回ったことと、選手全員が「初代王者」という同じ目標に向かって日々のきつい練成に前向きに取り組めたからだと思います。「同じ目標に向かって、皆が最大限の努力をする」ということはチームを強くし、チームを勝利に導くうえで最も大切なことだと学ぶことができました。これは自衛隊という組織に関しても言えることであると思います。棒引き競技会に第1大隊総長として参加し、学んだことをこれからの学生舎生活や卒業後の任務にも活かしていく所存です。


開校祭棒倒しを終えて
小野寺 学生
第69期第2大隊棒倒し総長の小野寺学生です。棒倒し総長とは、大隊内の棒倒しに関する全ての責任を負うリーダーです。
令和6年度の棒倒し競技会では、第2大隊は3連覇がかかっていました。さらに、過去10年の棒倒しの結果を見てみると、第2大隊はすべて決勝に進出していました。これだけでも、棒倒し総長としてのプレッシャーは途轍もないものでした。
そんな負け知らずの第2大隊の伝統を引き継ぐため、今年の2大隊のスローガンは「絶対王者」というよく聞く簡単な単語とし、第2大隊全体に自分達は絶対王者なんだという意識付けを常に心がけました。様々な課題が見つかっていく中、支えとなったのはスタッフの存在です。総勢60名を超えるスタッフが一人一人与えられた役割を全うし、支えてくれたおかげで、私自身の成長にもつながり、3連覇を成し遂げることができました。また、スタッフに限らず、日々の練習についてきてくれた第2大隊員、忙しい中安全係など手厚くサポートしてくださった指導教官の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に、棒倒し総長として培った貴重な経験を忘れず、来年の4連覇を願い、今後の残り少ない防大生活や任官後の生活に生かしていきたいと思います


開校祭演劇祭を終えて
大坂 学生
本年度演劇祭において、私の所属する第4大隊は、最優秀賞という結果をおさめることが出来ました。
私は第4大隊演劇祭責任者として脚本・演出・ダンスシーンにおける振付の一部・その他全体の統括を担当しましたが、この舞台は決して自分一人だけの力では完成しませんでした。むしろ、舞台に上がるパフォーマー、大道具製作・照明・音響を担当した裏方スタッフ、そして本番の上演を客席から盛り上げてくれた観客、誰か一人でも欠けていたら成立しない舞台でした。ここに私は、演劇が持つ人と人とを結び付ける絆の力を感じました。この絆の強さが、大隊を勝利に導くカギとなったと信じています。
また、本年度演劇祭テーマ『夢』を表現するにあたって、暗転なしの場面転換、ダンスシーンや殺陣など、エンターテイメント性を重視した演出を取り入れました。これらの演出を舞台の上で実現するためには、膨大な時間を練成に費やさなければなりませんでしたが、舞台を創り上げた全学生の尽力があって、演劇祭本番や優勝後の開校祭公演においては、持てるポテンシャルで最高のパフォーマンスを観客に披露することが出来ました。舞台という空間では、どんなものにでもなれるし、どんな夢も叶えることが出来る……そんな夢の空間の創造に携わった全ての学生に、拍手を送りたいです。


女子フィールドホッケー部「校友会活動をやるからには」
宮塚 学生
69期女子フィールドホッケー部主将の宮塚学生です。女子フィールドホッケー部は、関東学生リーグに所属し1部リーグ5位インカレ出場を目標に日々練習に励んでおりました。今年度69期政権は上記の年間目標を達成し、女子1期生の時に創部し以来最高成績を収めることができました。
『どうしてそんなに頑張れるのか』『ホッケー部凄いね』ホッケー部として活動する中でこんなことを言われることがあります。私はホッケー部員はホッケー部員としての誇りを持っていると思います。ホッケー部には頑張ると決めた人が入部します。だからこそ校友会活動に全員が一心に取り組むことができるのだと思います。勝ちにこだわり仲間のためにチームのために努力する。女子フィールドホッケー部に代々自然と受け継がれる各人の想いの強さと体力精神力は本当に誇りです。
この1年特に感じたことがあります。それは防大ホッケー部を応援してくれている人が多くいるということです。OBOGはもちろんのこと指導官や教官、大隊や学年性別を超えた多くの学生が応援してくださり実際に試合会場まで足を運んでくれた方は数えきれません。本当にありがとうございました。これは部員皆の日々の頑張り、人間性があってのことだと思います。
70期政権でもこれらの人間性や勝ちへのこだわりは変わらないはずです。いつまでも応援されるチーム、これが校友会活動をしているうえであるべき姿の1つだと考えます。


紅太鼓同好会「再建」
佐藤 学生
「紅太鼓同好会の再建」これは私の今年度の目標の1つであった。
紅太鼓同好会とは、防衛大学校女子1期生とともに創設され、今年で32年の歴史を持つ同好会である。そんな同好会に私が入部したのは1学年時、当時4学年の66期の上級生に廃部の危機を救ってほしいと頼まれたのがきっかけだった。
66期から68期まで一度も活動せず、太鼓の所在すら分からないまま迎えた69期政権。政権には和太鼓経験者もおらず、校友会学生委員からの長年の廃部の提案を受け入れようとした時もあった。しかし高等工科学校和太鼓部出身の下級生からの和太鼓部復活という熱い要望に背中を押され、開校記念祭と文化部合同発表会での発表を視野に入れながら、活動を再開することにした。太鼓探しから高等工科学校和太鼓部への見学、部員集め、週3回部外顧問をお呼びした自習時間前段の練習など活動を軌道に乗せるまでにはかなりの時間と苦労がかかった。しかし新たに男子学生を加え、性別や学年、大隊の垣根を超えた繋がりや曲を作り上げる時間はかけがえのない大切な思い出となった。また開校記念祭での6年ぶりの演奏披露。あの時頂いた多くの拍手とアンコールの声は、紅太鼓同好会の一員であるという誇らしさ、そして再建できたことの喜びと達成感を身体中で感じることができた。
今年は多くの方々のご支援をいただいて「再建」という大きな目標を達成することができた。これからさらに活動を活性化させて、この素晴らしい歴史が受け継がれていくことを願っている。

