教育航空集団司令官 ご挨拶


 平素より海上自衛隊教育航空集団司令部のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 この度、教育航空集団司令官を拝命した國見です。着任に際し、隊員に向けた訓示を基に教育航空集団の方針について申し上げます。
 現在、ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、イスラエルとハマスの紛争など、現下の国際情勢は誠に厳しく、我が国周辺を見ても、中国やロシアの軍事活動の活発化、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威も継続しており、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑と言われております。こうした中、一昨年策定された安保関連3文書の中で、防衛省自衛隊は防衛力の抜本的強化が求められており、我々教育航空集団においても、必要な装備や人的基盤の強化はもちろんのこと、我が国の防衛を支える精強な搭乗員を育成することこそが防衛力の強化に直結するものと考えております。
 こうした情勢を踏まえ、私の勤務目標は、「精強な搭乗員の育成」とし、どのような環境下にあっても上位指揮官の目標を達成するために、自ら考え、判断ができる思考力と行動力、精神力を持った真に戦える搭乗員を育てます。
 そして、この目標を達成するために、三点を指導方針とします。
 第一は、「変化への挑戦」です。
 先に述べた安全保障環境の変化に加え、我々が扱う装備品の科学技術の進展もより一層加速します。また、時代とともに人の気質や働き方も変化しています。よって我々に求められるものも変化していることを認識した上で、変化に乗り遅れることなく、常に変化を感じ、教育のやり方、組織の在り方など、柔軟な思考で、常に改善を図り、さらなる健全な組織への挑戦を続けます。
 第二は、「目的の明確化」です。
 我々の行うすべての行動や思考の過程において、常に何のためにやっているのか、その本質はどこにあるのかを見失わないよう、目的を明確にした運営を図ります。
 第三は、「連携(コミュニケーション)」です。
 任務達成には連携が必要です。そしてそこには必ずコミュニケーションが発生し、コミュニケーションの良し悪しが結果を左右するといっても過言ではありません。連携には相手を思いやる気持ちも必要であることから、日頃からこの能力を高めるよう指導します。
 結びに、これからも「精強な搭乗員の育成」という共通の目標に向かって隊員一同、邁進して参りますので、皆様におかれましては、引き続き教育航空集団隷下の各部隊の教育、活動に対し、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


社長


第48代教育航空集団司令官
 海将 國見 泰寛