海上幕僚長ご挨拶

 海上幕僚長の酒井です。
 国民の皆様におかれましては、常日頃から海上自衛隊の活動に対しまして、ご理解、ご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 さて、令和6年4月20日に発生しました海上自衛隊のヘリコプター墜落事故につきまして、国民の皆様に多大なご心配をお掛けしていることに対し、心からお詫びを申し上げます。海上自衛隊は、事故発生当初から懸命に捜索救難に取り組んでまいりましたが、すでに一部隊員の死亡が確認されており、海上幕僚長として、優秀な隊員を失ったことは痛恨の極みです。殉職された隊員のご冥福を心よりお祈りしますとともに、ご家族に対して心からお悔やみを申し上げます。また、現在行方不明となっている隊員の捜索を、海上保安庁、航空自衛隊及び米海軍の協力を得ながら継続しております。大切な仲間を一刻も早く見つけ出すべく、引き続き全力を尽くしてまいります。
 この度の事故は、夜間の環境下、高度な戦術判断、複雑な部隊運用を要する厳しい訓練を実施中に発生しました。このような事故に至ってしまったことには、様々な要因が考えられます。捜索救難活動と並行し、海上自衛隊として速やかに、かつ、徹底的に、事故調査を通じて原因を究明し、同様の事故を二度と生起させることのないよう再発防止に努めてまいります。
 海上自衛隊は、我が国及び周辺海域を防衛するとともに、望ましい安全保障環境を構築するための活動を、万全の態勢をもって遂行してまいります。引き続き、皆様のご理解、ご支援のほどよろしくお願いいたします。    

令和6年4月23日

 第35代 海上幕僚長 海将 酒井 良