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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

3 防衛省の取組

安全保障と経済を横断する領域で国家間の競争が激化する中、防衛大綱等に基づく防衛生産・技術基盤の維持・強化と合わせて、先端技術の保全・育成といった経済安全保障の施策により、わが国経済の自律性や、わが国の優位性・不可欠性を高めることは極めて重要である。

防衛省は、安全保障担当官庁としてこれまで蓄積してきた防衛生産・技術基盤の維持・強化に係る知見・ニーズを提供するなど政府一体の取組に積極的に参画している。具体的には、法制準備室への人員派遣を行っているほか、「経済安全保障重要技術育成プログラム」や技術情報管理、対内直接投資の審査などの政府全体の取組に対し、安全保障に関する知見・ニーズの提供を積極的に行うために必要な省内の体制を抜本的に強化し、経済安全保障上の課題解決に貢献している。

そのうえで、わが国の防衛を全うするためには、経済安全保障の取組を見据えつつ、防衛大綱等に基づき、防衛生産・技術基盤の維持・強化への重点的な取組が必要であり、防衛生産・技術基盤に関する既存の施策の現状、経済安全保障に関する政府全体の取組の進展などを踏まえ、新たな国家安全保障戦略や防衛大綱等の策定に係る議論を見据えつつ、法整備も含めたあらゆる手段について検討を進めている。