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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

2 自衛隊病院の拠点化・高機能化

自衛隊病院は、各種事態においては、活動地域から後送された隊員などを収容・治療する病院としての役割を果たし、また、平素においては、隊員やその家族などの診療を行う病院としての役割を果たしている。このほか、医療従事者の技量の維持・向上及び養成のための教育機関としての役割も有している。

防衛大綱及び中期防は、自衛隊病院の拠点化・高機能化については、2022年3月に最終後送病院までの搬送の拠点としての機能も担うこととなる自衛隊入間病院を開院したところであるが、引き続き、人材と医療資源を集中し、一般的な診療に加え、感染症対応、銃創などの外傷あるいはNBC兵器による攻撃などによる負傷者に対しても一定程度の診療能力を有する後送病院としての対応能力の向上を図り、効率的かつ質の高い医療体制の確立を図ることとしている。これまで、地域医療においては、一部の自衛隊病院が地方公共団体の二次救急医療機関の指定を受けて、救急患者の受入れを積極的に行うなど、医療の高度化を進めてきた。特に自衛隊中央病院においては、年間約5千台(2021年実績)の救急車の受入れを行った。