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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

2 サイバー領域の利用にかかる協力

サイバー領域の利用については、脅威認識の共有、サイバー攻撃対処に関する意見交換、多国間演習への参加などにより、関係国との連携・協力を強化することとしている。

防衛省は、オーストラリア、英国、ドイツ、フランス、エストニアなどとの間で、防衛当局間によるサイバー協議を設け、脅威認識やそれぞれの取組に関する意見交換を行っている。また、NATOとの間では、防衛当局間のサイバー協議である「日NATOサイバー防衛スタッフトークス」を実施するとともに、2019年12月には、これまでオブザーバーとして参加していたNATO主催のサイバー防衛演習「サイバー・コアリション2019」に初めて正式に参加するなど、運用面での協力も見据えた取組を行っている。

さらに、エストニアに設置されているNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE:Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence)が主催する「サイバー紛争に関する国際会議」(CyCon:International Conference on Cyber Conflict)への参加のほか、同年3月より、防衛省から同センターに職員を派遣し、NATOとのサイバー分野での協力関係を発展させている。また、2021年に引き続き、2022年4月にCCDCOE主催のサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2022」に英国と合同チームを編成して正式に参加した。

このほか、シンガポール、ベトナム、インドネシアの防衛当局との間で、ITフォーラムを実施し、サイバーセキュリティを含む情報通信分野の取組及び技術動向に関する意見交換を行っているほか、2021年11月には、ベトナムとの間で、日ベトナム防衛当局間の「サイバーセキュリティ分野での協力に関する覚書」に署名した。また、能力構築支援として、ベトナム軍に対するサイバーセキュリティ分野の人材育成セミナーを実施し、2022年2月にはASEAN各国を対象とする初めてのオンラインセミナーを実施するなど、協力の拡大を図っている。

参照1節2項(各国との防衛協力・交流の推進)
1節4項(能力構築支援への積極的かつ戦略的な取組)