海自は、インド太平洋沿岸国との共同訓練などを通じ戦術技量の向上を図るとともに、インド太平洋地域の平和と安定への寄与、相互理解の増進及び信頼関係の強化に取り組んでいる。
2021年8月から11月にかけて実施したインド太平洋方面派遣(IPD)では、護衛艦「かが」をはじめとする派遣部隊が、インド太平洋地域の各国や同地域に艦艇を派遣している欧州諸国の海軍との共同訓練や親善訓練を実施するとともに、IPDとしては初めて太平洋島嶼国地域を訪問し、同地域を含むインド太平洋地域沿岸国の港湾への寄港を行った。
また、派遣海賊対処行動水上部隊は、戦術技量の向上及び各国軍との連携の強化を目的に、ソマリア沖・アデン湾などにおいて、EUなど6との間で共同訓練を実施している。特に、2021年7月から2022年1月にかけて、インド太平洋方面に進出、欧州方面へ帰投する英空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群や、ドイツ海軍フリゲート「バイエルン」との共同訓練をそれぞれ実施した。
こうした共同訓練や寄港を通じたインド太平洋地域沿岸国との連携の強化は、海洋安全保障の維持に寄与するものであり、大きな意義がある。
参照資料52(多国間共同訓練の参加など(過去3年間))
図表III-3-2-4(自衛隊による寄港・寄航実績(2021.4~2022.3))