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<解説>電波情報収集機「RC-2」の配備について

2020年10月1日、航空自衛隊は、入間基地においてRC-2(電波情報収集機)配備記念式典を実施しました。RC-2は、活用範囲や用途が拡大する電磁波領域に対応するため、現有機YS-11EBの後継機として、電磁波に関する情報収集・分析能力の強化及び情報共有態勢の構築を推進することを目的として開発されました。老朽化の著しいYS-11に代わり、国産輸送機C-2に新たな電波情報収集装置を搭載することで、長時間にわたりより広範囲の情報を収集することが可能となっています。

現代の装備品にとって電磁波の活用は必要不可欠なものであり、電磁波の活用範囲や用途の拡大により、現在の戦闘様相における攻防の最前線において、高い電波情報収集・分析能力を持つRC-2の必要性はますます高まっています。特に活発化する周辺国の航空活動に対応するためには、RC-2の情報収集能力及び長時間の運用能力は非常に有用です。また、その情報共有機能をもって、航空自衛隊内だけでなく、他自衛隊との統合運用、米軍との共同ISR活動においても活躍が期待されています。

さらに、現在の戦闘様相は、技術の進展を背景に、陸・海・空という従来の領域のみならず、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたものとなっており、RC-2の配備は、電磁波領域において優勢を確保し、より効果的な領域横断作戦を実現する点で大きな意義があります。あらゆる領域の基盤ともなる電磁波領域における情報収集能力の強化は、現在の安全保障環境に対応していく上で欠かすことができないものです。

今後、運用に向け、所要の試験及び要員養成などを引き続き実施するとともに、現中期防衛力整備計画の期間を通じてRC-2の整備を着実に推進し、わが国の防衛に万全を期してまいります。

電波情報収集機「RC-2」の配備について_1

電波情報収集機「RC-2」の配備について_2

電波情報収集機「RC-2」の配備について_3

動画アイコンQRコード動画:RC-2電波情報収集機配備記念式典
URL:https://twitter.com/JASDF_PAO/status/1313313029849743362(別ウィンドウ)