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<VOICE>グレーゾーンの事態への対応に向けた警察との共同訓練について

陸上自衛隊第14普通科連隊(石川県金沢市)
副連隊長 2等陸佐 大林 浩文(おおばやし ひろふみ)

第14普通科連隊は2020年12月11日、金沢駐屯地において石川県警と共催する形で、北陸3県警(富山県警、石川県警及び福井県警)との共同図上訓練を実施しました。

共同訓練は毎年実施していますが、今回は、コロナ禍で行われる訓練であったため、昨年までの実施要領と異なり参加人数を制限し、検温装置及び消毒液の設置など実施要領を工夫して感染防止に努めました。

北陸3県の防衛・警備を担任する連隊は、顔の見える関係の構築を目標に本訓練に臨みました。特に原子力発電所などの防護に関する調整場面では、各県警と現場レベルでの連携要領を具体化することで、防護の実効性の向上を図ることができました。

また、警察と自衛隊の間で、各種シナリオにおける警察と自衛隊の対処要領についての認識を共有するため、警察側からは武器の所持が疑われる不審者に対する職務質問などの要領及び法的根拠に基づく対処要領などを具体的に解説していただくとともに、自衛隊側からは原子力発電所周辺の地図などを用いて予想される武装工作員の行動、自衛隊の対応など具体的な事態対処要領を説明しました。このようなやりとりを通じ、実務レベルでの相互理解や信頼関係を深めることができたと思います。

私は、連隊の一員として、国民の負託に応えるため、これからも共同訓練はもとより、防災訓練及びその他の活動を通じ、北陸3県警や、北陸の各自治体、指定公共機関などの方々と普段から顔の見える関係を築いていき、地域の安全・安心に貢献してまいりたいと思います。

武装工作員への対処要領について確認する隊員

武装工作員への対処要領について確認する隊員