Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <解説>宇宙作戦群(仮称)の新編について

<解説>宇宙作戦群(仮称)の新編について

2020年5月18日、自衛隊で初めてとなる宇宙領域の専門部隊として、宇宙作戦隊が新編され、宇宙状況監視など、宇宙空間の安定的利用の確保に資する体制整備の取組を進めています。

現在は、本格的な宇宙状況監視の運用開始や装備品の導入に先立ち、宇宙領域における部隊運用の検討、宇宙領域の知見を持つ人材の育成、米国との連携体制の構築などの課題に取り組んでおり、具体的には、新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底のうえ、国内委託教育やオンラインでの米国委託教育の受講、宇宙領域シミュレータを活用した演習参加などを通じ、宇宙領域における知識及び技能を着実に習得しています。またこれらの知識及び技能を活かし、本格的な宇宙状況監視の運用開始に向けて、システムの運用要領や、米軍及び関係機関などとの連携要領などの検討を進め、日米共同統合演習(キーン・ソード21)で宇宙状況監視について米軍と協力して訓練を実施し、相互運用性の向上を図っています。

在日米軍との交流の様子

在日米軍との交流の様子

令和2年度日米共同統合演習(実動演習)

令和2年度日米共同統合演習(実動演習)

航空自衛隊における宇宙の取組は始まったばかりであり、宇宙領域専門部隊に所属する隊員も関連する知識及び技能を新たに習得する必要がありますが、複雑な理論及び膨大な業務量に直面しつつも、毎日が新しい発見の連続であり、楽しさとやりがいのある部隊だと実感しています。

令和3(2021)年度には、宇宙作戦隊に加え、宇宙領域における様々な活動を計画・遂行するための指揮統制を担う部隊を新編するとともに、各部隊の上級部隊として、宇宙作戦群(仮称)が新編されます。これにより、宇宙領域における運用の研究や人材育成などがより組織的に実施できるようになるものと期待しています。

今後も宇宙領域の専門部隊として、本格的な宇宙状況監視の運用開始に向け、所要の訓練を継続し、万全の態勢を構築していく所存です。