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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

6 国際協力に必要な態勢の整備

防衛省・自衛隊は、これまで、国連三角パートナーシップ・プロジェクト(UNTPP:United Nations Triangular Partnership Project)の枠組みにおける国連野外衛生救護補助員コースへの教官派遣(UNFMAC:United Nations Field Medical Assistant Course)、国際緊急援助活動として海外被災地での医療提供などに参加しているほか、インド太平洋地域を中心とする国々に対し、潜水医学、航空医学、災害医療など医療分野での能力構築支援や共同訓練を積極的に行っている。

また、2014年の西アフリカにおけるエボラ出血熱への対応などを踏まえ、国際的に脅威となる感染症対策について、防衛省・自衛隊は、海外での活動に資するための専門性を有する人材の養成や、防衛医科大学校などを含めた態勢の整備を加速し、感染症対応能力の向上のための各種取組を行っている。

具体的には、感染症対応能力向上のための人材育成や、感染症患者搬送用の機材整備、既知の感染症の中で最も危険性が高いとされる一類感染症の罹患患者に対する診療態勢を整備するため、部隊、防衛医科大学校病院及び自衛隊中央病院に所要の施設器材の整備などを行うとともに、2017年4月に自衛隊中央病院、2019年3月には防衛医科大学校病院がそれぞれ第一種感染症指定医療機関の指定を受け、感染症対応能力の向上を図っている。

今後、海外での医療活動を行ううえで有効な移動式医療システムの更新、国際機関や米国防省などの衛生関係部局への要員派遣など、様々な国際協力に必要な態勢の整備を推進していくこととしている。