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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

防衛白書トップ > 第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段) > 第1章 わが国自身の防衛体制 > 第5節 平和安全法制施行後の自衛隊の活動状況など > 1 平和安全法制に基づく新たな任務に向けた各種準備の推進など

第5節 平和安全法制施行後の自衛隊の活動状況など

1 平和安全法制に基づく新たな任務に向けた各種準備の推進など

1 各種準備の推進

2016年3月に平和安全法制1が施行され、防衛省・自衛隊は、平和安全法制に基づく様々な新たな任務について、制定された法制度・各種部内の規則類の周知徹底、隊員教育のほか、様々な部隊が実際に訓練をするために必要な教材などの整備や教官の育成といった各種準備を進め、同年8月、準備作業に一定の目途がたったことから、自衛隊の各部隊において、必要な訓練を実施していくこととした。また、日米など二国間あるいは多国間の共同訓練においても、今後、関係国との調整のうえで、平和安全法制に関する必要な訓練を実施することとした。

2 主な訓練の実施状況

2017年7月、自衛隊法第95条の2の規定に基づく米艦艇の防護に関する実動訓練を初めて実施し、米海軍との関係強化などを図った。

同年7月から8月の間、多国間共同訓練「カーン・クエスト17」に参加して、国際平和協力法に基づく国外では初の「宿営地の共同防護」及びいわゆる「駆け付け警護」を含む国連平和維持活動に関する訓練を実施し、各種能力の向上を図った。さらに、2018年6月、多国間共同訓練「カーン・クエスト18」に参加し、国際平和協力法に基づく国外では初の「安全確保業務」に関する訓練を実施した。2019年6月にも、多国間共同訓練「カーン・クエスト19」に参加し、いわゆる「駆け付け警護」に関する訓練を実施した。

2018年9月にジブチにおいて、同年12月には国内において、自衛隊法第84条の3の規定に基づく在外邦人等の保護措置に関する訓練を実施し、統合運用能力の向上及び関係機関との連携強化を図った。

2019年1月から2月の間、多国間共同訓練「コブラ・ゴールド19」に参加して、在外邦人等の保護措置に関する訓練を実施し、統合運用能力の向上を図るとともに、指揮所訓練において、国際平和支援法に基づく協力支援活動に関する訓練などを実施した。

同年12月には国内における在外邦人等保護措置訓練を実施し、また、2020年1月から3月には多国間共同訓練「コブラ・ゴールド20」への参加を通じて、在外邦人等の保護措置に関する訓練を実施した。

さらに、同年11月から12月にかけては、在外邦人等保護措置にかかる統合運用能力の向上及び自衛隊と関係機関との連携強化を図る目的で、統幕、陸上総隊、陸自東部方面隊、警務隊、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、空自補給本部などの人員約300名が関係省庁との調整・連携を行いつつ、陸自朝霞訓練場や空自百里基地などにおいて、令和2年度在外邦人等保護措置訓練を実施した。

そこでは、実動訓練として、①先遣調査チームの現地における活動、②派遣統合任務隊の現地における一連の活動、③関係機関との連携について訓練するとともに、指揮所訓練として、自衛隊と関係機関との連携にかかる訓練を行った。

動画アイコンQRコード動画:令和2年度在外邦人等保護措置訓練
URL:https://twitter.com/jointstaffpa/status/1335881038006894592(別ウィンドウ)

1 平和安全法制は、平和安全法制整備法(我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成27年法律第76号))及び国際平和支援法(国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成27年法律第77号))から構成されており、2016年3月29日に施行された。