豊和工業株式会社 火器事業部 部長 高木 稔己(たかぎ としみ)
当社は、1964年に制式装備品となった64式7.62mm小銃を開発・製造して以来、小火器を中心とした装備品の開発・生産に取り組んできました。現在は、20式5.56mm小銃をはじめ、120mm迫撃砲RT、81mm迫撃砲L16、76mm発煙弾発射機などの製造を行っています。
以前から、装備品の生産基盤の維持・向上に努めてきましたが、重要部品の金属加工においては熟練工の技能への依存度が高い状況にありました。そのため、熟練工の高齢化や技能承継が重要な課題となっていました。また、重要部品を加工する代替困難な設備の老朽化への対応も課題であり、故障発生時には復旧に時間を要し、調達計画へ影響を及ぼすおそれがありました。
当社は工作機械部門を有し、金属加工製造ラインの構築に関するノウハウを保有していることから、課題解決に向けた構想の立案は可能でした。しかしながら、多額の設備投資を要することが大きな制約となっていました。
そこで、防衛生産基盤強化法に基づく基盤強化措置を活用し、加工工程を抜本的に見直したうえで新たな設備導入を進めました。本取組により導入した設備は、単なる老朽更新にとどまらず、大幅な工程集約や自動化・省人化を実現するとともに、一部の熟練工の技能を最新設備上で再現できる体制を構築しました。
これにより、装備品の安定的な生産と生産性向上を両立した新たな生産体制の運用を開始することができました。今後もこれらの取組を一層拡充・強化し、防衛力整備に貢献することで、日本の安全保障の一翼を担ってまいります。

制度を活用して導入した設備

工程設計を行う技術者