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<解説>スタンド・オフ防衛能力

Q:スタンド・オフ防衛能力とはなんですか?なぜ必要なのですか?

スタンド・オフ防衛能力とは、東西南北、それぞれ約3,000kmに及ぶわが国領域を守り抜くため、侵攻してくる艦艇や上陸部隊などに対して、相手のレーダーやミサイルなどの届く範囲の外側から対処する能力のことを言います。

今日、軍事技術の進展により、相手側のミサイルの発射、特に第一撃を事前に察知することは難しくなりつつあります。こうしたなか、専守防衛の方針を堅持しつつ、同時に国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくうえでは、武力攻撃そのものの可能性を低下させ、相手に第一撃を撃たせないことが何よりも重要です。スタンド・オフ防衛能力を強化することで、侵攻しようとする相手に、艦艇や上陸部隊などによる侵攻が確実に阻止されることを認識させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させます。それゆえ、スタンド・オフ防衛能力は、専守防衛の方針を堅持しつつ、同時にわが国防衛を全うする上で不可欠な取組です。

Q:スタンド・オフ・ミサイルは反撃能力にも活用されるものですか?

近年、わが国周辺で、質・量ともにミサイル戦力が著しく増強されるなか、今後、この脅威に対し、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあります。

このため、ミサイル防衛網により飛来するミサイルを防ぎつつ、更なる武力攻撃を防ぐために、反撃能力の保有が必要です。

反撃能力とは、わが国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイルなどによる攻撃が行われた場合、「武力の行使」の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、わが国が有効な反撃を加えることを可能とする能力を言います。

スタンド・オフ・ミサイルは、艦艇や上陸部隊などに対処するためのものですが、反撃能力にも活用し得るものです。

実際に発生した事態において、どのアセットをどのように用いるかは、個別具体的に判断していくことになりますが、何よりも、こうした能力を保有することで、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力を得ることができ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えています。

Q:スタンド・オフ・ミサイルの配備は地域の緊張を高めるものではないですか?

スタンド・オフ防衛能力を含め、防衛力の強化は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面するなかで、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くために必要なものです。

また、あくまで憲法および国際法の範囲内で、「専守防衛」の考え方を堅持した上で行っているものであり、わが国が保有する防衛力は、「相手から武力攻撃を受けた場合に初めて行使される、自衛のための必要最小限の防衛力」であることに変わりはありません。

そのうえで、一たび攻撃が発生すれば、先制的な精密打撃などにより、自衛隊の部隊が一方的に被害を受けることも考えられ、先に攻撃した方が圧倒的に有利という現実があるなかで、まず第一撃を撃たせないためにも、侵攻の目的を達成することは容易ではない、侵攻はやめた方がよい、と相手に思わせる体制を整えることが不可欠なのです。

スタンド・オフ・ミサイルは、反撃能力にも活用し得るものですが、そもそもの目的としてわが国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊などを早期かつ遠方で阻止・排除するためのものです。当然、先制攻撃に使用されることはなく、また、その数量も、侵攻を阻止・排除するのに必要な量を積み上げているものであり、他国に脅威を与えるようなものでもありません。

こうしたことから、スタンド・オフ防衛能力を含め、防衛力強化のための取組は、地域の緊張を高めるようなものではないと考えておりますが、諸外国に対しては、こうしたわが国の安全保障政策の具体的な考え方を明確にし、透明性を確保しながら防衛力強化を進めていく考えです。