わが国の安全保障政策にかかる主要な文書としては、国家安全保障戦略1、国家防衛戦略2、防衛力整備計画3がある。わが国には戦後、防衛政策の基礎として「国防の基本方針」が置かれていたが、それに代わるものとして、2013年に国家安全保障戦略がわが国として初めて策定された。当戦略は、わが国の国益を長期的視点から見定めたうえで、国際社会の中で、わが国の進むべき針路を定め、国家安全保障のための方策に政府全体として取り組む必要があるとの認識に基づき、外交政策と防衛政策を中心とした戦略として策定された。
続いて、2022年には、わが国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している現状を受け、これまでの外交・防衛分野のみならず、経済、技術、情報も含む幅広い分野の安全保障政策に戦略的な指針を与えるものとして、新たな国家安全保障戦略が策定された。
そのうえで、国家安全保障戦略を踏まえ、わが国の防衛目標やこれを達成するためのアプローチ・手段を示すものとして、同年に国家防衛戦略が初めて策定された。これは、1976年以降6回策定されてきた、自衛隊の防衛力整備、維持および運用の基本的指針である防衛計画の大綱(防衛大綱)に代わるものである。国家安全保障戦略と国家防衛戦略は、ともにおおむね10年間の期間を念頭に置いている。
防衛力整備計画は、国家防衛戦略に従い、防衛力の水準やそれに基づくおおむね10年後の自衛隊の体制、5か年の経費総額や主要装備品の整備数量を示した中長期的な計画として、2022年に初めて策定された。従来、将来の防衛力の水準については、防衛大綱で示し、防衛力整備にかかる5か年の経費総額などは防衛大綱を踏まえた中期防衛力整備計画(中期防)で示してきたが、防衛力の水準と5か年の経費総額を統合した整備計画にすることで一貫性のある形にした。
参照図表II-1-3-1(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画・年度予算の関係)、2章(国家安全保障戦略などの「三文書」)、資料2(国家安全保障戦略について)、資料3(国家防衛戦略について)、資料4(防衛力整備計画について)
