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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

5 各国との比較

国防費について国際的に統一された定義がないこと、公表国防費の内訳の詳細が必ずしも明らかでないこと、各国で予算制度が異なっていることなどから、国防支出の多寡を正確に比較することは困難である。

そのうえで、わが国の防衛関係費と各国が公表している国防費を、経済協力開発機構(OECD:Organization for Economic Co-operation and Development)が公表している購買力平価5

を用いて、ドルに換算すれば、図表II-4-3-11(主要国の国防費比較(2022年度))のとおりである。

図表II-4-3-11 主要国の国防費比較(2022年度)

NATO加盟国をはじめ各国は、安全保障環境を維持するために、経済力に応じた相応の国防費を支出する姿勢を示しており、わが国としても、国際社会の中で安全保障環境の変化を踏まえた防衛力の強化を図る上で、GDP比で見ることは指標として一定の意味がある。防衛力の抜本的強化の内容の積み上げとあわせて、これらを補完する取組として、海上保安能力やPKOに関する経費のほか、研究開発、公共インフラ整備など、総合的な防衛体制を強化するとしており、2027年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組をあわせ、そのための予算水準が2022年現在のGDPの2%に達するよう、所要の措置を講ずることとしている。

なお、1998年以降における主要国の国防費の推移は、図表II-4-3-12(主要国の国防費の推移)のとおりである。

図表II-4-3-12 主要国の国防費の推移

参照資料14(各国国防費の推移)

5 各国でどれだけの財やサービスを購入できるかを、各国の物価水準を考慮して評価したもの。
なお、それぞれの通貨単位を外国為替相場のレートにより換算する方法もあるが、この方法で換算した国防費は、必ずしもその国の物価水準に照らした価値を正確に反映するものとはならない。