「島しょ防衛」について知ろう!
防衛省・自衛隊の活動の中で「島しょ防衛」や「水陸機動団」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。
島を守ること?と漠然としたイメージがあるかもしれませんが、そのキーワードになる「水陸両用車」について今回はご紹介します。
皆さんも一緒に、島を守ることについて考えてみましょう。
自衛隊は、わが国の全域を警戒・監視しています。
日本は大小約6800個以上もの島々がある国
どうして島を守ることが必要なのでしょうか?
日本には大小約6800個以上の島々があります。その島一つ一つが日本の領土であり、その島の周りは日本の領海です。その島の周りで漁業など様々な活動をしています。そのような私たちの生活を守るためにも、島を守るということは私たちにとってはとっても大切です。
島を守るためには
防衛省・自衛隊としてはどのように島を守るのか?
日本の周りは航空機や、艦艇、潜水艦などで常時警戒・監視を行っていますが、万が一に島にどこかの国の軍隊が上陸したときにどうやって対処するのでしょうか?
その一つが水陸両用作戦です。航空機や艦艇の支援を受けながら陸上の部隊を上陸させ、島をとりかえします。その時、上陸する部隊が使うのが水陸両用車です。
海・空優勢の確保
島嶼への侵攻があった場合、島嶼を奪回するための作戦
水陸両用車のここがポイント
島に部隊を上陸させるためにはボートや、航空機、船で上陸させるなどの方法があります。港や空港を使えば大量の物資や戦車などの重火器を運ぶことができます。
しかし、敵の軍隊に占領された島では、当然、その島を取り返されないようにと、敵も準備をします。港や、空港には近寄れないようにするでしょう。島に上陸するためには相手が銃をもって待ち構えている海岸線に上陸する必要があります。
そこで登場するのが水陸両用車です。艦船や航空機の支援を受けながら、鉄で覆われた、装甲化された車両で海を航行し、そのまま海岸線に上陸することができます。
以前行われた種子島での水陸両用車の訓練の様子を見てみましょう。
① 準備
船の中で救命具を装着
② 艦艇から出発
1両ずつ海上自衛隊の誘導により発艦
③ 洋上を航行
洋上を1列で航行
④ 上陸
水陸両用車から隊員が出て上陸
陸、海、空自衛隊で力を合わせて島を守る
水陸両用作戦においては、海上自衛隊の艦艇から、陸上自衛隊の水陸両用車を主とする水陸両用戦部隊が発進し、島に上陸します。
その際には空から航空自衛隊の戦闘機が空の安全を確保します。
これら、陸・海・空が協同して作戦を行うことを統合と言います。陸、海、空自衛隊の力を合わせて島を守っています。
皆さん、島を守ることについて知ることができたでしょうか。どうやったら、日本のもつ約6800個以上の島々を守ることができるか、この機会に皆さんも考えてみましょう。
水陸両用車
- 装備品名:水陸両用車
- 略称:AAV
- [乗員]24名
- [重量]24t
- [全長]8.2m
- [全幅]3.3m
- [全高]3.3m
- [製造]BAE社
- [概要]
- 海上機動性及び防護性に優れ、島嶼部へ海上からの部隊等を投入する装軌式の水陸両用車両。