ビエンチャン・ビジョン~日ASEAN防衛協力イニシアティブ~

ビエンチャン・ビジョンは、2016年11月16日にラオス(ビエンチャン)にて開催された第2回日ASEAN防衛担当大臣会合において、稲田防衛大臣が我が国独自のイニシアティブとして表明した日ASEAN防衛協力の指針であり、ASEAN全体への防衛協力の方向性について、透明性をもって、重点分野の全体像を初めて示したものです。

本ビジョンは、当該会合にてASEAN側のすべての国々から歓迎され、日ASEAN防衛協力を一層推進していくこととなりました。

ビエンチャン・ビジョンに基づく事業の例

支援の様子
第1回プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラム
(令和元年7月8日~11日:市ヶ谷地区、入間及び美保基地等)
支援の様子
第3回日ASEAN乗艦協力プログラム
(令和元年6月26~30日:護衛艦「いずも」)
支援の様子
第2回HA/DRに関する日ASEAN招へいプログラム
(平成31年1月28日~2月1日:市ヶ谷及び相馬駐屯地等)

ビエンチャン・ビジョン(概要)

  • 1990年頃から始まった日ASEAN防衛交流は、2000年代により実践的・実務的な協力へと発展し、2010年以降はADMMプラスの発足や能力構築支援に代表される新たなプロジェクトとして着実に深化。このような日ASEANの友好と協力の伝統をしっかりと維持しつつ、日ASEANの関係を創造の精神をもって更に充実させていく重要性がますます高まっている。
  • ASEAN個別の国に加えて、ASEAN全体の能力向上に資する協力を推進し、地域の平和、安全及び繁栄を確保するための今後の日ASEAN防衛協力として、
    1. 紛争の平和的解決の基礎となる「法の支配」を貫徹するため、海洋及び航空分野における国際法の認識共有促進を支援
    2. 平和と繁栄の基礎である海洋安全保障の強化のため、海洋及び上空の情報収集・警戒監視、捜索救難の能力向上を支援
    3. ますます多様化かつ複雑化する安全保障上の課題に対処するため、多分野にわたるASEANの能力向上を支援。
  • 本ビジョンに基づき、
    1. 国際航空法のみならず海洋法も含めた国際法の実施に向けた認識共有促進
    2. 人道支援・災害救援やPKOに加えてサイバーセキュリティーなどの新たな分野を含む能力構築支援
    3. 装備品・技術移転及び防衛装備・技術協力に係る人材育成などの防衛装備・技術協力
    4. 多国間共同訓練・演習や自衛隊訓練へのオブザーバー招へいの開始などの訓練・演習
    5. オピニオンリーダー招へい等を通じた人材育成・学術交流
  • など、多様な手段を組み合わせた実践的な防衛協力を実施。
  • 上記の防衛協力を実施していくため、年次の日ASEAN防衛当局次官級会合でフォローアップするとともに、防衛副大臣をヘッドとする省内検討体制を整備
第4回日ASEAN防衛担当大臣会合(平成30年10月20日)
第4回日ASEAN防衛担当大臣会合(平成30年10月20日)

資料

関連ページ

日米豪共同訓練「コープ・ノース・グアム」

日ASEAN乗艦協力プログラム

その他の取組

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