化学兵器禁止機関(OPCW)への職員派遣

化学兵器禁止機関旗
化学兵器禁止機関本部(オランダ・ハーグ市)

防衛省は化学兵器に関する軍備管理・軍縮について、国際的な人的協力を推進するため、化学兵器禁止条約(CWC)に基づき設立された化学兵器禁止機関(OPCW)に、97年以降査察局長に秋山一郎(あきやま・いちろう)陸将補を派遣するなど、化学防護の専門家である陸上自衛官をこれまで7名派遣しています。

【参考資料】化学兵器禁止条約(CWC)と化学兵器禁止機関(OPCW)

歴代の派遣隊員 階級は派遣当時

2022年9月~現在  南2等陸佐(査察官)

南 福太郎(みなみ・ふくたろう)2等陸佐は、防衛省から5人目のOPCW査察官として2022年9月に派遣されました。

南2等陸佐は、検証制度の中で最も重要な、締約国に対する査察活動を行うという、条約の実効性を確保する重要な任務に従事しています。

2013年8月~2016年8月 清野1等陸尉(査察員)

清野 慎太朗(せいの・しんたろう)1等陸尉は、防衛省から4人目のOPCW査察員として2013年8月に派遣されました。

清野1等陸尉は、検証制度の中で最も重要な締約国に対する査察活動を行うという、条約の実効性を確保する重要な任務に従事しました。

2009年1月~2013年1月 鈴木3等陸佐(査察員)

鈴木実(すずき・みのる)3等陸佐は、防衛省から3人目のOPCW査察員として2009年1月に派遣されました。

鈴木3等陸佐は、検証制度の中で最も重要な、締約国に対する査察活動を行うという、条約の実効性を確保する重要な任務に従事しました。

 鈴木3等陸佐は、当初3年間の予定で派遣されましたが、査察員として高い職務能力を発揮してOPCWに貢献したため、OPCWからの要望を受けて、我が国は更に1年間の派遣延長を行いました。

2005年7月~2009年7月 新開3等陸佐(査察員)

執務中の新開3等陸佐(左側)

新開正則(しんかい・まさのり)3等陸佐は、防衛省(当時、防衛庁)から2人目のOPCW査察員として2005年7月に派遣されました。

新開3等陸佐は、検証制度の中で最も重要な、締約国に対する査察活動を行うという、条約の実効性を確保する重要な任務に従事しました。

新開3等陸佐は、当初3年間の予定で派遣されましたが、査察員として高い職務能力を発揮してOPCWに貢献したため、OPCWからの要望を受けて、わが国は更に1年間の派遣延長を行いました。

1997年6月~2002年6月、2004年8月~2007年8月 秋山陸将補(査察局長)

OPCW職員と秋山陸将補(中央)
執務中の秋山陸将補(右側)

OPCWは、その主要任務である査察を確実に実施するため、職員全体の約4割が査察官からなる機動的な組織としてスタートし、この部門を総括する初代査察局長として1997年6月から2002年6月まで、秋山陸将補が就任しました。秋山陸将補は多国籍からなる新設組織をまとめ上げ、5年間で1,200回以上の査察を24時間体制で実施し、その仕事ぶりは各国から高い評価を得ました。

秋山陸将補が離任後、OPCW査察局長ポストは約2年間空席となっていましたが、査察局長はOPCWで最も重要な局長ポストであり、高い実績を残した秋山陸将補の能力への国際的な期待などもあって、2004年7月に再び査察局長へ就任しました。

秋山陸将補は、2007年8月付けで自衛官を退官した後も、引き続き2009年7月まで査察局長を務め、OPCWに多大な貢献をしました。

2002年10月~2007年6月 浦野1等陸佐(運用計画部長)

執務中の浦野1陸佐(左側)

浦野重之(うらの・しげゆき)1等陸佐は、2002年10月から2007年6月まで、OPCW査察局の運用・計画部長として派遣されました。

運用・計画部長は、約200名の査察員を監督し(組織上、査察団は査察局長を通じて事務局長が指揮することになっています)、化学兵器禁止条約の検証制度の中核をなす、査察の計画及び調整を行い、締約国の条約遵守を実際に検証する極めて重要なポストです。

浦野1等陸佐は、当初3年間の予定で派遣されましたが、運用・計画部長としての職務能力がOPCW内で高く評価され、OPCWからの要望を受けて、わが国は更に2年間の派遣延長を行いました。

1997年6月~2000年6月 笠畑1等陸尉(査察員)

会議中の笠畑1陸尉(左側)

笠畑忠嗣(かさはた・ただつぐ)1等陸尉は、1997年6月から査察員としては初めて、防衛省(当時、防衛庁)からOPCWに派遣されました。笠畑1等陸尉は、発足間もないOPCWにおいて、様々な国籍の同僚職員と協力を重ね、査察活動の手順・技術等を確立させました。また、査察員として、2000年に帰国するまで数多くの重要な査察活動に従事しました。

笠畑1尉の高い職務能力と責任感ある仕事振りは、OPCWの同僚・上司から高く評価されました。