“チホン”って言葉、ご存知でしたか?と言われても、自衛官に興味を持ったことで、今回初めて“チホン”という言葉を聞いた方もいることでしょう。そこで自衛官募集にとても関わりのある“チホン”について、わかりやすくくわしくご紹介いたしましょう。これを読んだらアナタもきっと“チホン”が頼もしく思えることでしょう。
防衛省の共同機関に属する地方協力本部
“チホン”とは、自衛隊地方協力本部(略して「地本」と呼ばれる)という自衛隊の総合窓口です。地本は防衛省の陸上、海上、航空自衛隊の共同機関であり、陸上自衛隊が管理しています。
防衛省組織図
地方協力本部組織(基準)
地本は北海道に4ヵ所、その他の各都府県庁所在地に1ヵ所ずつ、全国に計50ヵ所設置されています。また下部機構である出張所や地域事務所、募集案内所が全国の主要都市にも多数あり、合計すると400ヵ所以上の地本関連施設が設置されています。実はアナタの身近なところにも地本は存在しているのです。
詳しい地方協力本部と地域事務所や募集案内所の所在地は、地方協力本部一覧からご覧いただけます。
“チホン”の業務
地方協力本部(地本)は自衛隊の中でどのような役割を担っているのでしょうか。
まず第一に自衛官募集業務。PRのためのポスターの制作や配布、説明会・セミナーの実施といった自衛隊を認知してもらう活動から、入隊希望者や関心を持った人に対して、さまざまな問合せへの対応、さらに志願者応募の受付はもちろん、合格後の入隊までの準備まで手厚くサポートしています。
「自衛隊に入りたい」と思ったら、まずは地本に問い合わせるのが一番の近道です。
地本には他にもさまざまな一般向けの業務があります。例えば駐屯地や基地で催されるイベントの案内や、学校向けに見学・体験といった総合学習、企業研修などを目的とする隊内生活体験の支援という具合に、その業務は多岐にわたります。
そのほかにも予備自衛官の管理や、退職自衛官の再就職支援といった各種業務も行っています。
地本は自衛隊と地域社会をつなぐ窓口であり、隊員にとっては入隊を希望した時から、退職後までずっと支援してくれるサポーターなのです。
“チホン”の業務内容
自衛官募集活動
志願対象者となる人に対して、告知PRから 入隊まで全般をサポートします。
- 情報発信
- 広告・PR:ポスターの制作など
- 説明会・セミナーの開催
- 学校や就職会場など
- 部隊見学の引率
- 受験手続きの受付:願書の受付・受験票の発行など
- 合格通知
- 本人への連絡
- 入隊までのケア・サポート
- 入隊時の心得、準備等のサポート
自衛隊の広報活動
地域との理解と信頼のコミュニケーション 窓口としてさまざまな広報活動を行っています。
- イベント情報
- 陸海空自衛隊の記念行事(航空祭等)、音楽演奏会の紹介
- 総合学習支援
- 学校に対する総合学習支援
- 部隊見学
- 各部隊の施設、装備品等の見学
- 体験搭乗
- 陸海空ヘリコプター等体験搭乗
- 体験航海
- 護衛艦等艦艇広報による一般公開、体験航海
- その他
- 音楽演奏、防衛講話等の受付、広報誌の配布等
予備自衛官の管理業務
企業で働く予備自衛官のお世話をしています。
- 予備自衛官等招集訓練の連絡
- 予備自衛官手当等の支給
- その他、予備自衛官等に関する諸業務
※予備自衛官とは
普段は企業の一員として働きながら、いざという時のために必要な訓練に参加します。有事の際は、自衛官としてわが国の防衛や災害派遣で国家に貢献します。
退職自衛官の再就職援護業務
自衛隊は、任務の性格上、精強性を維持するため、一般公務員や企業と異なり、50歳代半ば(若年定年制)あるいは20歳代(任期制)で退職する任用制度を採っています。隊員が退職後の心配をすることなく任務に邁進できるようにするため、退職後の生活基盤確保のため就職援護の支援を実施しています。
各地本のホームページを見れば、“チホン”の様子が分かる!
地本のことがわかるためには、自分が住んでいる地域の地本のホームページを見てみるというのもひとつの手です。
特に各地本ではその地域で開催される自衛隊基地の各種イベントのレポート、総合学習支援や部隊見学、体験搭乗の様子などを、地本担当者のブログなどで発信しています。
コラム
“チホン”の仕事を体験
自衛隊をよく知るための広報活動の一環として、地本の仕事を体験できる場もあります。自衛隊岩手地方協力本部では、平成14年度から実施されている「総合的な学習の時間」における学習活動で、活用していただけるような体験学習を実施しています。
滝沢村立柳沢中学校では、2年生になると職場体験という授業があります。大人の人たちが普段どんな仕事をしているか、実際に職場へいき、体験するというものです。その様子が掲載されています。
各学校の先生方や生徒・学生の皆さん、ぜひ参考にして下さい。
自衛隊への入隊、即応予備自衛官への連絡、自衛隊イベント情報の周知、どれをとっても一般の人が自衛隊と関わるときの窓口として機能するのが地方協力本部。自衛隊と一般の人との大切な橋渡し役といえるでしょう。あなたも自衛隊に興味を持ったら気軽に地本に問合せてみてください。