令和5年8月1日(火)整備隊は、幹部候補生学校(奈良基地)に入校しているウィングマークを取得した飛行幹部候補生(※)4名に対し、整備研修を実施しました。
静浜基地で飛行訓練を行う学生は、いつも飛行場に準備された航空機に乗り込み訓練を行いますが、今回の研修では「自分が乗る航空機は自分で準備する!」をコンセプトに、機体の搬出作業を行ってもらいました。
自分たちで機体を押し、駐機位置まで整備員と共に搬出を行う姿は、とても新鮮で、現場の整備員にとっても良い刺激となりました。
その中で、印象的な出来事が2つありました。
1つ目は、ある飛行幹部候補生がパイロット採用試験の際に、飛行支援をしてくれた整備員と再開したシーンです。
飛行幹部候補生:「緊張した中で採用試験に臨むとき、緊張をほぐし激励をしてくれたんですよ!本当にお世話になりました!」
整備員:「ちゃんとパイロットになってF-15に乗る手前まで来たんだね!よかった!!」
採用試験の際に受験者と整備員が関わる時間はほんの一瞬でしかありません。しかも、緊張した中でのやりとり。彼らだけが感じられる、彼らだからこその関係。整備員としてのやりがいを感じられる瞬間でした。
2つ目は、機体に対する愛着です。
ある飛行幹部候補生は「922号機、今静浜基地にあるんですね!この機体はいつも一緒に訓練をした思い出の機体です!」
他の飛行幹部候補生も「910号機だ!ヒトマルはナビゲーションとか高機動飛行訓練とか、いろんなことを経験させてくれた機体なんですよ!」
それぞれ、厳しい訓練を乗り越えていく中で、成長させてくれる機体に愛情をもって訓練に励んでくれていることが伝わり、我々整備員も誇りを感じさせてくれる瞬間でした。
たった2時間ほどの研修でしたが、様々なことを互いに学び知ることができた貴重な時間でした。
この日は、彼らと同じパイロットを目指す受験者の飛行検査がちょうど行われている時でした。
研修を受けた飛行幹部候補生は、これから試験のために飛び立つ受験生とお世話になった教官たちに手を振り、笑顔で見送る姿は本当に清々しく、彼らのような隊員がいてくれることを、仲間としてうれしく感じました。
パイロットへの道は、「航空学生」、「一般幹部候補生(飛行要員)」、「防衛大学校」と多様にあります。視力が弱いなどの制限も今では緩和され、入隊への扉は広くなっています。空への憧れやパイロットへの熱い思いがある方は、試験を受けてみてはいかがでしょうか?
※飛行幹部候補生:幹部任官前の航空学生
ウィングマーク:航空自衛隊でパイロットになるための科目を修了し、資格を与えられた隊員が着用することができる操縦士き章
整備補給群 整備隊