航空支援集団の役割

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航空支援集団の役割

全  般

 航空支援集団は、航空自衛隊の各種任務遂行に必要な様々な要素、例えば航空戦闘、隊員教育、物品補給や装備品の実験開発などがある中で、航空戦闘任務を行う航空総隊を直接的に支援する組織で、その役割として物資等の航空機による輸送、飛行場を離発着する航空機の管制、飛行場周辺や訓練空域等の気象観測・予報、航空管制施設の点検、空中での医療活動や容態管理を担っています。

航空輸送

 C-1中型輸送機C-2輸送機C-130H輸送機KC-767空中給油・輸送機U-4多用途支援機を使用し、大小様々な部品や隊員を一度に多く、そして速く目的地に運んでいます。
 輸送する人員は、航空自衛隊のみならず、陸上、海上自衛隊、防衛省職員、他省庁職員のほか、災害派遣医療チーム(DMAT)などの必要と認められる民間人など多岐に渡ります。一方、物資は航空機用部品、弾薬・燃料などの危険物や硫黄島には生鮮食料などの生活必需品を空輸しています。
 また、物資や人員の輸送以外に陸上自衛隊の行う空挺降下訓練の支援やB-777-300ER(政府専用機)による国賓等の輸送も行っています。
 最近では、国際平和協力業務、国際緊急援助活動、在外邦人等輸送などに際し、輸送機の航続距離の長さを活かした国外での活動も増えており、国内外を問わず地球規模で活動しています。

 

航空保安管制

 飛行場を離発着する航空自衛隊機を安全かつ円滑に運航させるため、航空自衛隊基地または一部の官民共用空港において国家資格を有する航空管制官等を配置し、航空交通管制業務(進入、着陸誘導等)を行っているほか、飛行管理業務(運航情報、航空機移動情報等)、飛行情報業務(ノータム、飛行情報出版物(航空路図誌等)の編集等)を行っています。
 また、あまり知られていませんが、新千歳空港(北海道)、三沢空港(青森県)、茨城空港(茨城県)、小松空港(石川県)、県営名古屋空港(愛知県)、米子鬼太郎空港(鳥取県)を離発着する民間旅客機は、航空自衛官が航空交通管制を行っています。

 

航空気象

 航空自衛隊の運用する航空機を安全かつ円滑に運航させるため、北は北海道から南は沖縄までの主に飛行場を有する航空自衛隊基地に気象隊を配置し、気象予報、気象観測、気象情報の収集、伝達等を行っています。
 また、各気象隊で行う気象観測等のほか中枢気象隊(府中)では、統合気象システムを運用し、陸、海、空自衛隊の気象情報を集約し、多角的で詳細、正確な気象予報に努めているほか、移動気象観測システムを装備し、器材故障時や災害時などにおいても気象観測、予報ができるようになっています。
 航空気象に携わる幹部自衛官の中には、国家資格である「気象予報士」を保有する隊員もいます。

 

飛行点検

 飛行場に設置された捜索レーダー装置(ASR)、精測レーダー装置(PAR)、計器着陸装置(ILS)、タカン装置(TACAN:Tactical Air Navigation)等の航空保安施設が正常に電波を発射しているか、正確な値を表示しているかなどを専用の器材を搭載した航空機によって確認を行っています。
 自衛隊においては、1個部隊で陸海空3自衛隊の施設を点検しています。

 

航空機動衛生

 航空自衛隊の輸送機と専用の器材を使用し、重症救急患者に対する機上医療、機上医療に必要な調査研究や普及教育を行っています。
 また、より高度な治療を必要とする重篤な傷病者を高速な航空機で容態管理をしながら搬送することで、救命率の向上を図ることを目的としています。