防衛省には役割等に応じて様々な組織で構成されており、そこで勤務する職員(事務官等)がいます。
今回、各組織で実際に勤務する職員へのインタビュー内容を掲載させていただくことで、皆さまに仕事内容や職場の雰囲気等を知っていただき、防衛省で働くイメージの参考としていただければと思います。ぜひご覧ください。
日本の安全保障にとって、日米同盟の抑止力は必要不可欠です。しかし沖縄の皆様には、今もなお大きな基地負担を担っていただいており、沖縄の基地負担軽減は政府の最重要課題の一つです。このため沖縄協力課では、「在日米軍の抑止力を維持しつつ沖縄の基地負担を軽減する」在日米軍の再編に取り組んでいます。
その中で私は、沖縄本島中南部に所在する米軍基地の約7割の土地を返還する「沖縄統合計画」を着実に進めるため、在日米軍司令部との調整等を行っています。「沖縄統合計画」は、2013年から続く大きなプロジェクトですので、一朝一夕で成果が出るものではありません。また米軍との調整は、考えの違いなどから時に困難も伴いますが、それゆえに、日々の積み重ねが、土地の返還などの形で基地負担軽減に結実すると、大きな達成感があります。
平和安全法制や地元調整、装備政策や米軍再編など、これまで様々な業務に携わってきました。防衛省は職務の幅が広く、挑戦したい業務がまだまだありますが、どの職務も「わが国の平和と安定のため」という点が共通しています。行政官としての仕事は、毎日全てがキラキラと華々しいものではありません。しかし、我々の仕事の先にあるものは、常にわが国の安全保障です。どんな時もその信念を持って臨めることが、仕事をする上で大きな支えになっています。防衛省で皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。
「バランスを保つために水を運ぶ選手が必要だ」
元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、献身的に守備を行い、攻撃の起点となる選手をこのように表現しましたが、今の仕事も同じような役割を求められていると感じます。
航空戦力の整備を担うチームの一員となってから約半年が経ちました。「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」ため、将来のあるべき姿を考えながら、必要な政策を積み上げる。その過程において実際に装備を運用する自衛官との議論を通じて、戦闘機などの装備品の取得計画が検討されますが、現実には、限られた財源・時間・人的リソースといった制約が存在するため、最適解を模索する必要があります。しかし、厳しい現実に直面したからと言って安易に妥協することは許されません。
政策の裏付けとなるエビデンスの整理や論理構築など、攻守にわたりやるべきことは山積しています。政策立案のフォワードたる部員が「シュート」を決められるよう、今日も走り、ボールをつなぎます。
-「安全保障」という国家存立の根幹を担う-
組織としてのミッションはシンプルです。これを見据えて、私たち防衛省の職員は様々な政策の実現に取り組んでいますが、本省内部部局採用であれば、入省してすぐ政策決定の過程に関わる機会が訪れます。
安全保障というフィールドで政策立案に従事したい。そして、日本の平和に貢献したい。そのような揺るぎない志を持つ皆さんにとって防衛省は最良の選択肢である、そう確信しています。
皆さんは自衛隊の精強性を維持するために、多くの自衛官が50代半ば(若年定年制自衛官)または20代~30代半ば(任期制自衛官)で退職することをご存じでしょうか。
援護企画室では、国防のために身命を賭してきた自衛官の再就職を支援するための施策を企画・立案しています。退職予定の自衛官には、より良い処遇や自らの望む再就職先が見つかるよう、適性検査や資格取得のための職業訓練などの支援施策を用意しています。その中で私は統計担当として、施策の企画・立案に必要なデータの収集と分析業務を行っています。
時代の変化に合わせ、多様な働き方や労働市場の変化に対応できるよう先を見据えた支援施策の拡充が求められており、援護企画室の責務はますます高まっています。
Compass over maps(地図よりもコンパスが重要である)という言葉があります。新型コロナウイルスの拡大やロシアによるウクライナ侵略など、我々は歴史的な出来事が次々と起きる時代に生きています。
常識や価値観が大きく変わる時代において、誰かが描いた古い地図は頼りになりません。日本の未来を担う皆さんは、自分の意思や信念というコンパスに従って自身の納得する未来を選択してみてください。
私が勤務している防衛政策課は、わが国の防衛政策全般の根幹である新たな国家安全保障戦略等の策定や、北朝鮮によるミサイル事案等の重大事案発生時の省内の取りまとめなど、「防衛政策の司令塔」としての役割を果たしています。
その中でも、私は総理や防衛大臣などが安全保障分野における政策全体の方針を議論する国家安全保障会議や、省内の最重要案件についての審議を行う関係幹部会議の実施に伴う各種調整など、防衛政策における意思決定の過程に携わっています。
テレビやニュースなどで大々的に報道される社会的関心度の高い案件を扱うことも多く、微力ながらも入省2年目の自分がそのような業務に携われることにやりがいを感じながら、日々、緊張感を持って業務に取り組んでいます。
当たり前のことではありますが、企業や役所から内定をもらうことはゴールではなく、その後には長い社会人生活が待ち受けています。
「わが国の平和と安全を守る」という崇高な使命を担う防衛省の仕事が、自分の一生を懸けるに値するものだと考え、私は防衛事務官の道に進みました。
我々以外の誰にも取って代わることができないこの職場で、志高い皆さんと共に働けることを楽しみにしています。
統合幕僚監部 所属
陸上幕僚監部 所属
航空幕僚監部 所属
本省所在機関という採用区分は、我が国を取り巻く安全保障が極めて速いスピードで変化している中において、本省所在機関で経験を積み、将来、防衛政策のスペシャリストとして内閣総理大臣や防衛大臣を補佐する立場となって活躍するため、2021年度に新設されたものです。
採用後は、我が国の防衛政策や自衛隊の運用、情報等に係る施策の企画立案や推進を担当し、将来、内部部局をはじめとする本省所在機関の管理職員を目指すことのできる採用区分です。
本省所在機関採用者は、入省1年目から防衛省の中枢機関で勤務し、防衛予算や未来を見据えた人的基盤の強化など非常にやりごたえのある業務を担当することができます。
また、業務を通じて現場の視点を獲得することは、3年目以降、内部部局で勤務するにあたって大いに役立ちます。
幕僚監部において現場に対する広範な知識を培い、その知見をもって国内外で活躍する隊員をリードするための法整備に携わりたいと思い、所在機関を志望しました。
3年目からの内局勤務に向けて、情報収集とコミュニケーションを意識して業務を行っています。上司や先輩の動きから、省におけるホットな話題やそれに応じた行動を把握することで、将来、突発的な業務にも対応できる職員になるための準備をし、日々成長できるよう努めています。
私は国賓や国防大臣が来日する際に敬意を表するための儀式である特別儀仗に関する調整業務を担当しています。具体的には、特別儀仗隊の活動の根拠となる通達の作成や現地における進行管理等を担当しています。
本省所在機関採用者は、1年目から中央機関勤務を経験できることが魅力であり、私も1年目から特別儀仗の業務の担当者として勤務しており、初めて自分で作った通達を根拠に部隊が行動した際は、すごくやりがいを感じました!
防衛省では、一人ひとりがキラキラと働いています!ワークライフバランスを重視しており、趣味に没頭する時間も作れています。私生活を充実させながら国防の一端を担うことができ、毎日意気揚々と登庁しています。
休日には同期と出かけたり、英語の自学研鑽をしたりして楽しんでいます。切磋琢磨できる同期がいることで、より高みをめざして自分自身の能力を磨きたいという気持ちを維持することができています。
防衛大学校は、将来、陸・海・空各自衛隊の幹部自衛官となるべき者を育成するために設置された教育機関で、東京湾と富士山を望む神奈川県横須賀市の小原台に位置しています。近年、自衛隊には任務の多様化や国際化などに柔軟に対応する質の高い人材の確保・育成が求められており、防衛大学校においても世界一の士官学校を目指し、安全保障環境の変化に対応する人材育成を事務官等と教職員が一体となり検討・推進しています。
これまで当たり前に享受してきた「平和」を守る側になりたいと思い入省を志望しました。特に将来の各自衛隊の幹部自衛官となるべき人材の育成の一翼を担うことで、広く貢献できるのではと考えました。
現在は防衛大学校本科学生の募集広報に関する業務を担っています。HPの更新や動画の撮影・編集・掲載に関する業務を主に行っています。この他、オープンキャンパスやオンライン説明会を準備・実施しています。オープンキャンパスや入試相談会に参加してくれていた学生が、受験生として入試を受験し、合格者名簿に名前が載っていた時には、自分の受験の時のように嬉しく感じました。
防衛医科大学校は、医師である医官等の幹部自衛官、保健師・看護師である幹部自衛官及び技官(卒業後は防衛医科大学校病院に採用され勤務)となるべき者を養成するほか、自衛隊の任務遂行に必要な治療に関する臨床研修及び研究を行うことを目的として設置された防衛省の機関です。また、防衛医科大学校病院は、学生の臨床実習及び自衛隊医官の臨床研修の場であると同時に、特定機能病院、第3次救急指定病院、災害拠点病院、がん診療指定病院に指定された総合的な医療機関です。2020年2月以降は新型コロナウイルス感染症患者の受け入れも行っており、地域医療の拠点としての役割を果たしています。
私は現在、防衛医科大学校の物品の管理や調達に関わる業務に従事しています。医療や教育、研究に必要な機材等を調達し、それらが適切に管理されているかを検査しています。物品管理を通じて、より良い教育・医療の提供を支えています。
小さいころから防衛医科大学校の近所に住んでおり、地域医療を支えている素晴らしい機関だと感じていました。こういった機関で働き自分も地域医療を支えられるような仕事がしたいと思い志望しました。
国防という重要な国家活動を医療という側面から支えられるというのは防衛医科大学校の他機関とは違う特色だと思います。厳しい医療の現場をより近くで実感することができ、良い刺激になります。
統合幕僚監部は、防衛出動や災害派遣、国際平和協力活動をはじめとする陸・海・空3自衛隊の部隊行動に際し、統一的な計画を立案、その運用をつかさどる組織として設置され、軍事専門的観点から防衛大臣を一元的に補佐しています。弾道ミサイルへの対処や東シナ海をはじめとする我が国の周辺海空域における警戒監視、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動、数々の国際平和協力活動や国内外で発生する自然災害への対応など広範に活動するとともに、近年重大性が増しているサイバー領域においても、24時間態勢で防衛省の通信ネットワーク及び通信システム等を監視し、サイバー攻撃に対処しています。
大学で学んだ情報技術を活かして、社会の役に立つ仕事がしたいと考えていました。中でも防衛省では情報技術を通じて国家の安全と平和に寄与することができる点に魅力を感じ、入省を志望しました。
陸・海・空の自衛官及び事務官等が一体となり、サイバー空間において防衛省の情報システムを防護する業務に従事しています。サイバー攻撃等への対処能力向上のため、部外や国外の教育・訓練に参加することもあります。
様々な技術や知識を駆使し、サイバーという今後より一層重要性の高まる領域で脅威に立ち向かう点にやりがいを感じます。簡単なことばかりではありませんが、新たな知見を得られた時や業務に役立つ情報を発見できた時はとても嬉しいです。
陸上自衛隊は、国民の身近な存在として常に「安全・安心・平和」を守るため、各種事態への抑止及び対処、多次元統合防衛力を実現する陸上防衛力の整備を推進しつつ、大規模災害発生時にはいかなる状況にもいち早く対応できるよう万全を期するなど、平時から有事までのあらゆる事態において我が国の防衛の中核となる組織です。
防衛省内最大規模となる約7,400名の職員が在籍しており、全国に所在する約200ヶ所を超える部隊等において様々な業務を行っています。
多種多様な装備品の整備を行う部署で人事係として勤務しており、事務官等の昇給、異動の調整等の人事業務の他、各種手当の申請、年末調整等の給与業務も担当しています。人事、給与は隊員の生活に直接関係してくる部分であるため責任のある仕事で 担当する人数も多いため大変ですが、その分仕事を終えた際は大きな達成感を得ることができます。
陸上自衛隊の魅力は、多岐にわたる業務や人に出会える点です。様々な業務に携わるため、日々勉強になることばかりです。また自衛官と事務官等が一緒に勤務しており、出身地や専門分野などが多種多様なため、新たな価値観や考え方を得ることができ、人間力が磨かれる職場だと思います。
海上自衛隊は、海上からの侵略に対し国土を防衛するとともに、我が国周辺海域における海上交通の安全を確保することを主な任務としています。
護衛艦、潜水艦、航空機等の様々な装備品を効率的に運用し、国際社会における安全保障の構築といった役割も担っています。
海上自衛隊では、我が国の平和と安全を守るため、多種多様な業務を通じ、海上自衛隊の任務遂行に貢献できる熱意と意欲のある人材を必要としています。
私の所属する部署では隊員の福利厚生に関する業務を行っています。その中でも私は、防衛省共済組合の運営する貯金業務を担当しており、組合員貯金の預入や払戻のほか、貯金口座に関連するシステム上の手続きを行っています。組合員の金銭を取り扱う仕事であるため金額の誤りや入力ミスには特に注意をしています。少しのミスで組合員に不利益をもたらす可能性があるため、手続きの際は入念に確認することを心掛けています。
海上自衛隊では、研修や教育の機会が多くあります。自衛隊の知識のないまま入省したので不安もありましたが、術科学校での研修を通じて、事務官として必要な基礎知識を身につけられるので、安心して仕事を行えるのがいいところだと感じます。
我が国では、地上における警察、海における海上保安庁に相当する「空における警察力」が存在していません。そのため、航空自衛隊は、平時から有事まで一貫して我が国の空の平和と安全を担う唯一の組織となっています。
また、航空自衛隊は従来の領域(領空)に加え、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域への対応に取り組みます。
我が国の宇宙空間の安定的利用を確保するため2020年5月の「宇宙作戦隊」新編に続き、2022年3月に「宇宙作戦群」を新編するなど、航空自衛隊は進化を続けます。
今後の航空防衛力を担う航空機の装備品やミサイル等について飛行試験を実施し、どのような特性や性能を持つのかデータの解析処理を行っています。また、異常なデータが出た場合はパイロットにも危険が及ぶため、責任感を持って業務に取り組んでいます。
出張の際に、官用機のヘリコプターに乗せてもらったことが印象に残っています。乗り込むときの風の強さや、車や鉄道とは比べ物にならないスピードで目的地に到着するなど、とても感動しました。他では中々経験させてもらえないことが経験できました。
情報本部は、1997年に創設された、我が国最大の情報機関です。
電波、画像・地理情報を収集して解析するのみならず、集約・整理した公刊情報等と融合し、総合的な分析に基づくプロダクトを提供することができる、我が国唯一無二の機能を有しています。
我が国を取り巻く安全保障環境が年々厳しさを増している中、相手の行動に先んじてその兆候を察知する「情報」の重要性は益々重くなっており、情報本部もその能力をさらに向上させていくことが求められています。
日本の安全を支えるという仕事内容に憧れ、興味を持ちました。また、業務説明会に参加した際に、対応してくださった情報本部の職員の皆さんが優しく、この方たちと一緒に働けたらと思い志望しました。
私は現在、電波情報の解析に関する業務を行っています。上司・先輩等に助けていただくこともあり、もどかしさや自分の力不足を感じることも少なくありませんが、そのぶん小さなことでも新たな発見を得られたときはとても嬉しく感じます。明確な答えが見つからないことも多いですが、そのぶん探求心が刺激される仕事だと思います。自分の考えや意見をとても尊重してくれる環境なので、解析の結果や業務の効率化など目に見える成果もやりがいを感じます。
日本には、多くの自衛隊や在日米軍の基地等があり、その中にあるひとつひとつの施設が我が国の防衛を支える必要不可欠な基盤であることは言うまでもありません。また、地方公共団体や地域住民の方々の御理解・御協力の上で自衛隊や在日米軍の活動が成り立っていることを忘れてはいけません。
そのため、全国に8か所(札幌市・仙台市・さいたま市・横浜市・大阪市・広島市・福岡市及び嘉手納町)ある地方防衛局では、防衛力を支える“拠点を造り”、地域の方々の“気持ちに寄り添い”、様々な施策を講じています。
私は現在、防衛施設の建設に携わる監督業務等をしています。自衛隊員が防衛施設を安全かつ快適に使用出来るように務めています。技術的な知識が必要なため、日々知識の習得に精進しています。 東北防衛局の設備課では、東北6県内の自衛隊施設や米軍基地内の建設に携わる監督官業務を行っています。工事の監督官として完成まで携わる事ができ、完成した際の達成感を味わうことができます。また、全国に職場があり様々な自衛隊施設にかかわることができる素敵な職場です。
防衛装備庁は、防衛省の外局として設置され、装備品等の研究開発及び生産のための産業基盤の強化を図りつつ、研究開発、調達、補給及び管理の適正かつ効率的な遂行並びに国際協力の推進を図ることを任務としています。
また、防衛装備品の適切な研究開発や生産、維持整備等は、我が国の安全保障上、極めて重要です。特に「厳しさを増す安全保障環境を踏まえた技術的優越の確保」、「諸外国との防衛装備・技術協力の推進を含む産業基盤の強靭化」などが重要な課題となっているところです。
自衛隊で使用する装備品のうち、国産では調達できない一般輸入品を調達する輸入調達官付で働いています。私は契約業務を担当しており、民間商社や要求元と調整をしながら入札、契約締結、代金支払いなど様々な業務を行っています。わからないことは上司部下、先輩後輩関係なく互いに教えあう職場なので、日々学習し成長することができます。
装備庁の研究所、部隊への見学・研修や契約相手方の会社への出張など、日々のデスクワーク以外にも新しい経験を積み、その中で自分の部署以外にも様々なフィールドの方々と関わりながら仕事ができるのが防衛装備庁の魅力です。
2023年4月5日更新