Contents

特集2 災害派遣のあゆみ

防衛白書トップ > 特集2 災害派遣のあゆみ > 東日本大震災から10年

東日本大震災から10年

平成25年台風第26号に対する災害派遣(伊豆大島)

2013年10月、防衛省・自衛隊は、伊豆大島における災害派遣活動を行うにあたり、離島における効果的な活動の観点から、海自、空自が保有する輸送力を最大限活用し、陸自の組織力を活かした一元的な運用を可能とする東部方面総監を統合任務部隊指揮官とする伊豆大島災統合任務部隊を組織しました。

特集2 東日本大震災から10年 写真1

御嶽山災害派遣

2014年9月、長野県御嶽山の噴火に伴い、人命救助のための災害派遣を実施しました。

特集2 東日本大震災から10年 写真2

熊本地震災害派遣

2016年4月、熊本県において震度7を記録する大きな地震が相次いで発生し、西部方面総監を統合任務部隊指揮官とする統合任務部隊を組織し対応にあたりました。この際、2015年に策定した新日米防衛協力のための指針(日米ガイドライン)に基づき、日米共同による災害救援活動を実施しました。

特集2 東日本大震災から10年 写真3

平成30年7月豪雨(西日本)

2018年、陸自は、災害時を含め、部隊の一体的運用を可能とする陸上総隊を新編しました。平成30年7月豪雨においても、陸上総隊は、全国に所在する部隊をPFI船舶による輸送等により、被災地に迅速に派遣し、迅速に運用して各種救難任務等を遂行しました。

特集2 東日本大震災から10年 写真4

現在

近年の気候変動等の影響により、大規模化、激甚化する災害への対応に加え、新型コロナウイルス感染症が蔓延する環境下において災害派遣活動に従事しています。

特集2 東日本大震災から10年 写真5

特集2 東日本大震災から10年 写真6

特集2 東日本大震災から10年 写真7

これまでの災害派遣について、概要をご覧いただけます。

特集2 東日本大震災から10年 QRコード

自衛官の使命感

長崎県知事として、1991年6月の雲仙・普賢岳の噴火における災害派遣や被災地の復興に尽力された高田勇さんは、自衛官の使命感について次のような言葉を残されています。

『当初、市民は、一瞬にして平和な生活を奪われ、何ら施すすべもなく右往左往しておりました。まさに地獄絵図のような状態でした。市民はあの時、一番何を求めたでしょうか。“ヤマ”の脅威、恐怖からの安心、我がまちの安全であります。自衛隊は、“ヤマ”の猛威に真正面から立ち向かって下さいました。忘れもいたしません。第1回目の予想もしなかった巨大な火砕流のあった平成3年6月3日、貴い43人の方の命が一瞬にして“ヤマ”に奪われました。いちるの望みを抱く遺族の願いを叶えるべく、自衛隊はその翌日から連続して3日間、たった今火砕流が流れて来ても全く不思議でないあの火砕流の現場の真っただ中に入られたのであります。あれくらい、不安におののいていた市民にとって、力強い思いをしたことはなかったでしょう。生命は、地球より重いといわれるこの現代の風潮の中で、その地球より重い命よりももっと重い使命感があったということをまざまざと見て、熱いものがこみあげて参りました。自衛隊は、いざという時、死を賭してくれるものだということを、市民はしっかり見届けたのであります。自衛隊の真骨頂を見る思いでした。』-1995年12月16日、島原市安徳海岸埋立地(現在、災害記念館敷地)における陸上自衛隊撤収式において-