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<VOICE>令和2年台風第10号接近前の避難支援に参加した隊員の声

海上自衛隊第22航空隊鹿屋航空分遣隊(鹿児島県鹿屋市)
飛行班員 1等海尉 上山 直人(うえやま なおと)

私は、海上自衛隊第22航空隊鹿屋航空分遣隊が運用する救難ヘリコプターUH-60Jの操縦士です。2020年9月、台風第10号が鹿児島県に最接近する前日、「鹿児島県が十島村住民の島外避難を決定し、災害派遣を要請した。」との情報が入りました。台風の接近という緊迫した状況の中でしたが、私は、住民の島外避難を安全かつ速やかに行わなければ、という強い気持ちを持って任務に臨みました。十島村を離陸する時には、不安を隠しきれず今にも泣きだしそうだった幼な子やお年寄が、鹿児島市へ着陸し無事に避難できたときに心からの安堵の表情を浮かべたのを見て、私もほっとするとともに、強い達成感を感じました。今回、海自ヘリ2機、陸自ヘリ4機及び空自ヘリ1機の計7機により、住民約200名を鹿児島市へ搬送することができましたが、このような重要な任務に従事できたことに私の部隊では強い誇りを感じています。鹿児島県には多くの離島があります。離島からの急患輸送のほか、台風などの災害が発生した場合に、自衛隊が派遣されるケースが多くあります。今後も、あらゆる任務に対応できるよう、訓練に励んでいきます。

UH-60Jと筆者

UH-60Jと筆者

十島村(宝島)での住民搬送の様子

十島村(宝島)での住民搬送の様子