Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <解説>新型護衛艦(FFM)、新型潜水艦について

<解説>新型護衛艦(FFM)、新型潜水艦について

新型護衛艦「もがみ」が進水

防衛省・自衛隊は、増加する任務所要に対応するため、防衛大綱で定めた護衛艦54隻体制の実現に向けて取り組んでおり、54隻のうち22隻については、平素からの警戒監視、有事における各種戦闘に加え、従来は掃海艦艇が担っていた機雷の処理も可能であるなど、多様な任務への対応能力を向上させた新型護衛艦(FFM)を整備することとしています。2021年3月に進水した護衛艦「もがみ」は、この新型護衛艦(FFM)の1番艦です。

FFMについては、従来の汎用護衛艦の定員が約200人であるのに対して、船体のコンパクト化などにより定員が約90人になる見込みであるほか、複数クルーでの交代制勤務の導入により、稼働日数の増加を図ることとしています。

防衛省・自衛隊としては、今般進水した護衛艦「もがみ」の就役に向けた準備を含め、護衛艦54隻体制の実現に向けて取り組んでまいります。

新型護衛艦「もがみ」進水式

新型護衛艦「もがみ」進水式

新型潜水艦「たいげい」が進水

2020年10月に進水した潜水艦「たいげい」は、現有の「そうりゅう」型潜水艦に比べ探知性能や被探知防止性能が向上した新型潜水艦です。従来よりも探知能力が向上した新型ソーナーシステムを採用しているほか、船殻から甲板を浮かせる「浮甲板構造」を採用することにより、艦内で発生した振動を吸収し、外部に放射される雑音を低減するとともに、外部からの衝撃を緩和し、艦内の隊員や機器を保護することが可能になっています。また、本潜水艦の特徴として、リチウムイオン電池を用いた推進システムを搭載しており、ディーゼル潜水艦特有のシュノーケルによる充電時間の短縮化が図られています。

わが国周辺海域の水中における情報収集・警戒監視、哨戒及び防衛を有効に行うために、潜水艦部隊の増強は必要不可欠であり、防衛省・自衛隊としては、防衛大綱で定めた潜水艦22隻体制の実現に向けて取り組んでまいります。

新型潜水艦「たいげい」進水式

新型潜水艦「たいげい」進水式