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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

防衛白書トップ > 第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など > 第5章 地域社会や環境との共生に関する取組 > 第3節 情報発信や公文書管理・情報公開など > 1 様々な広報活動

第3節 情報発信や公文書管理・情報公開など

1 様々な広報活動

防衛省・自衛隊の活動は、国民一人一人の理解と支持があって初めて成り立つものであり、分かりやすい広報活動を積極的に行い、国民の信頼と協力を得ていくことが重要である。

内閣府の「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」(2018年1月調査)によれば、国内外に広がる自衛隊の活動に対し、国民からの期待と評価が高まっている。この結果を踏まえ、防衛省・自衛隊の実態がより理解されるように、今後も様々な広報活動に努めていくこととしている。

また、自衛隊が任務を安定的に遂行するためには、諸外国の理解と支持も不可欠であることから、自衛隊の海外における活動を含む防衛省・自衛隊の取組について、国際社会に向けた情報発信を強化することも重要である。

参照資料64(「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」抜粋)

1 国内外に対する情報発信など

防衛省・自衛隊は、公式ホームページ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS:Social Networking Service)、動画配信など、インターネットを活用した積極的な情報発信に取り組んでいる。

また、パンフレットや広報動画の作成、広報誌『MAMOR(マモル)』への編集協力、報道機関への取材協力など、正確な情報を、幅広く、適時に提供するよう努めている。

さらに、防衛省・自衛隊の活動が世界中に広がる中、国際社会に対して、その活動を正確に広報し、諸外国の理解と信頼を得ることも大変重要である。そのための取組として、特に、英語版防衛省ホームページの一層の充実と英語版Twitterを活用した迅速かつ分かりやすい情報発信を積極的に行っているほか、海外メディアへの取材機会の提供、英語版の防衛白書の作成、英文広報パンフレット「Japan Defense Focus(JDF)」の発行など様々な方法により国際社会に向けた情報発信を行っている。

2 イベント・広報施設など

防衛省・自衛隊では、自衛隊の現状を広く国民に紹介する活動を行っている。この活動には、陸自の富士総合火力演習や海自の体験航海、ブルーインパルスなど空自による展示飛行や体験搭乗などがある。また、全国に所在する駐屯地や基地などでは、部隊の創立記念日などに、装備品の展示や部隊見学などを行うとともに、地元の協力を得て、市中でのパレードを行っている例もある。さらに、自衛隊記念日記念行事の一環として、自衛隊音楽まつりを毎年開催している。1

青少年のための3自衛隊合同コンサート

青少年のための3自衛隊合同コンサート

また、陸・海・空自がそれぞれ主担当となって観閲式、観艦式、航空観閲式を行っている。2020年は、防衛省・自衛隊の任務遂行能力への影響の懸念に加え、新型コロナウイルス感染症の状況から、これまでの観閲式などの実施要領を改め、規模を縮小し、空自入間基地において、無観客の航空観閲式を実施した。

広報施設の公開にも積極的に取り組んでおり、市ヶ谷地区内の施設見学(市ヶ谷台ツアー)には、2021年3月末現在までに約46万5,700人の見学者が訪れている。2020年8月からは、同地区において大本営地下壕跡の公開を開始した。その他、各自衛隊において、広報館や史料館などを公開している。

開始された大本営地下壕見学

開始された大本営地下壕見学

3 隊内生活体験

防衛省・自衛隊は、大学生・大学院生又は女性を対象とした自衛隊生活体験ツアー2や、団体・企業などを対象とした隊内生活体験3を行っている。これらは、自衛隊の生活や訓練を体験するとともに、隊員とじかに接することにより、自衛隊に対する理解を促進するものである。

4 地域とともにある各部隊の取組

海自は、旧海軍以来の伝統を引き継ぎ海自カレーという看板メニューを有している。隊員が各艦艇の中で毎週金曜日に食べる美味しいカレーのレシピは秘伝とされ、海自基地の地元の飲食店などとも連携し、地域と一体となってご当地海自カレーを育んでいる。

なお、この秘伝レシピは海自HPにおいて公開されている。

海自カレー(補給艦おうみビーフカレー)

海自カレー(補給艦おうみビーフカレー)

空自は、2018年以来、高タンパクかつ栄養価が高く、安価で調理が簡単である鶏の唐揚げを「より上を目指す」という意味を込めて、「空自空上げ」として、マスコットキャラクターの「からっと隊長」とともに、定着を図っている。

空上げ普及させ隊、からっと隊長

空上げ普及させ隊、からっと隊長

動画アイコンQRコード動画:空自空上げ 番外編総集編
URL:https://www.youtube.com/watch?v=MlsPQyNKXOU(別ウィンドウ)

また、全国各基地のレシピは空自HPに公開するとともに、「おおぞらキッチン」と題して空自公式Twitterなどで調理の様子を簡単にまとめた動画を配信している。

2020年11月、海自カレーと空自空上げをめぐって海自と空自が対決した結果、海自カレーと空自空上げのコラボメニュー「空海⤴(くうかい)」が誕生した。

一方、陸自は、2020年12月、全国各駐屯地の多様な給食を「陸自飯」として発信し、地域(地産地消)と人(隊員)を大切にする組織イメージを、広く国民に周知することとしている。

陸自給食は①戦士としての身体づくりを支える、②地域の名産品・特産品を活用したご当地グルメ、③隊員の要望を丁寧に取り上げたバラエティ性をコンセプトとしている。

これらを広く国民に周知するため、SNSを活用し、全国各駐屯地のご当地グルメを発信するとともに、陸自HPに各駐屯地のご当地グルメや隊員人気のレシピを特集コーナーとして公開している。

また、全国各駐屯地自慢の「ご当地グルメ、ラーメン、肉料理、丼」を、国民視聴者が人気投票で決定する「陸自飯グランプリ」を開催し、投票の結果、北部方面隊真駒内駐屯地の「日本新三大夜景藻岩山ラーメン」が栄えある栄冠に輝いた。

日本新三大夜景(©夜景観光コンベンション・ビューロー)藻岩山ラーメン(真駒内駐屯地)

日本新三大夜景(©夜景観光コンベンション・ビューロー)
藻岩山ラーメン(真駒内駐屯地)

1 令和2(2020)年度は、新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえ、各種イベントなどは中止又は延期、要領を変更して実施した。特に、自衛隊音楽まつりは中止し、代わりに「青少年のための3自衛隊合同コンサート」を昭和女子大学人見記念講堂及びBunkamuraオーチャードホールで開催した。

2 各体験ツアーの公募は、防衛省・自衛隊ホームページなどで行っている。

3 陸・海・空自の生活を体験するツアーであり、自衛隊地方協力本部が窓口となって、民間企業などからの依頼を受けて実施している。