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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

➌ 情報本部

1 情報本部の任務

情報本部は、冷戦後の安全保障環境が複雑さを増している中で、高度かつ総合的な情報収集・分析を実施できる体制を整備するため、97(平成9)年に創設された防衛省の中央情報機関であり、わが国最大の情報機関である。電波情報、画像・地理情報、公刊情報などを収集し、国際・軍事情勢等、わが国の安全保障にかかわる分析を行っている。

2 情報本部の活動

情報本部は、陸・海・空の自衛官と事務官・技官(語学系、技術系、行政・一般事務)からなる組織であり、自衛官は各自衛隊の部隊等における経験に基づく知見を、事務官・技官は語学、技術等の専門的な知識を駆使し、一丸となって業務に従事している。

具体的には、外国の軍隊の動向等刻々と変化する国際情勢について、電波情報、画像情報、新聞、雑誌、インターネットなどの公刊情報、関係者との意見交換等からもたらされる交換情報といった、あらゆる情報源から得た情報に基づき、軍事的、政治的、経済的要因を含む様々な観点から総合的な分析を実施している。

情報本部の情報業務の成果は、分析プロダクトとして、内閣総理大臣、防衛大臣、内閣官房国家安全保障局、内閣情報調査室や陸・海・空自衛隊の各部隊に対して適時適切に提供され、政策判断や部隊運用を支えている。また、関係省庁や諸外国カウンターパートとの情報交流も積極的に実施している。