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<VOICE>防衛力整備を支える防衛産業

(株)南里製作所 代表取締役社長 南里 和宏(なんり かずひろ)

当社は昭和14年に創業し、戦中は陸軍造兵廠の監督工場として、戦後は米軍調達局の登録業者として自動車や特殊車両部品を製造していました。防衛製品に本格的に携わったのが、陸上自衛隊が米軍から供与されていた装軌車両(戦車・装甲車等)の足回り部品(履帯・転輪・スプロケット)の修理でした。米軍のマニュアルを参考に当社独自の修理技術を確立し、現在では陸上自衛隊が保有する全ての装軌車両の足回り部品の再生修理を主業務としております。

従業員20名ほどの小さな会社ではありますが、ほぼ全ての工程を社内で行えるよう、創意工夫を凝らして作業に必要な工作機械や治工具を自社で製作し、社長以下全社員が熟練工として現場作業を行っています。また、小企業の悩みである「技術伝承」が難しい中、新しい技術(溶接ロボット等)も取り入れ、安定した品質を確保できるよう努力しています。

近年、装軌車両を取り巻く環境は厳しさを増しており、防衛事業への依存度が高い当社としましては今後の事業存続に多少の不安もありますが、国内唯一の修理業者としての誇りと責任、長年培ってきた修理技術の継続が当社にとり何よりも大切な事だとも感じております。これからも使用者に信頼して頂けるものづくりを心掛け、基盤維持に努めてまいります。

履帯の溶接作業

履帯の溶接作業

履帯・転輪・スプロケットの説明写真

履帯・転輪・スプロケットの説明写真