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<VOICE>エチオピア平和支援訓練センターへのジェンダー担当講師派遣

教育訓練研究本部(東京都 目黒区)
1等陸佐 大﨑 香織(おおさき かおり)

平成29年12月2日~8日の間、将来のPKO要員候補者であるアフリカ諸国の約30名(軍人・文民)の研修生が参加した「紛争予防コース」のジェンダー課目担当講師として、エチオピア連邦民主共和国にある平和支援訓練センターに派遣されました。私は、「ジェンダー概論」について研修生に対し講義を行い、PKOでの文民保護の任務を達成するためには、紛争下又は紛争後において脆弱なジェンダーグループを保護し、かつ、政策決定過程に参画させることが必要ということ、また、その手法として各種活動へのジェンダー視点の導入が有効であることを教育しました。

他国のPKOセンターへのジェンダー担当講師の派遣は、自衛隊として今回が初めてであり、教育に臨むまで、かなりのプレッシャーと不安がありましたが、熱心で積極的な研修生に接し、笑いも交えながら楽しく講義を行うことができました。

「ジェンダー主流化」は、国連をはじめ世界的に最も重視されている安全保障上の課題のひとつであり、自衛隊が国際平和協力活動等に参加する際にも配慮すべき事項です。各国のPKO要員が、ジェンダーの視点を持ち、各種任務を有効に達成できるように、積極的に推進していきたいと思います。

※ジェンダー:生物学的性差に対し、社会的・文化的に形成された性別のこと

※ジェンダー主流化:ジェンダー平等化を達成するため、施策及び事業について、ジェンダーの視点を取り込むこと

研修生に講義を行う著者

研修生に講義を行う著者

研修生の討議をサポートする著者

研修生の討議をサポートする著者