MAMOR(マモル)2023年6月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

特集

世界を魅了する 防衛駐在官一家のおもてなし術拝見
自衛隊インターンシップ誌上リポート

Military Report

陸で戦う海上自衛官 港湾の侵入者を撃て!
海上自衛隊 横須賀陸警隊

編集後記

編集長 高久 裕

マモルの連載「エアメール」は、世界各国に滞在して、その国の情報収集に努める防衛駐在官から、現地の日常を読者に伝える手紙です。話題として頻出するのが、現地で信頼関係を構築するために行われるホームパーティ。国防関係者や、他国の駐在官を自宅に招いての宴会で、家族総出で準備にあたるようです。なかでも妻の苦労は計り知れないものがあるように見受けられます。日本の文化を紹介するために、赴任する前に和服の着付けや、茶道、華道を習って、ホームパーティで披露、料理も手作りして、おもてなしをしている方も多いようです。防衛駐在官の家族は、もちろん、自衛官でも外交官でもない一般人ですが、日本の文化を世界に広め、外国と理解を深めて、日本の安全保障に寄与する活動をしているのです。多くの日本国民が知らない、そういった活動を、ぜひ、紹介したいと考えた特集が、今月号の「防衛駐在官のおもてなし術拝見」です。ぜひ、ご覧ください。

特集

世界を魅了する 防衛駐在官一家のおもてなし術拝見

ライター 真嶋 夏歩

皆さんは防衛駐在官という存在をご存じですか? 防衛駐在官とは、防衛省から外務省に出向した自衛官で、外国にある日本大使館などの在外公館に駐在・勤務し、外務事務官として防衛に関する事務に従事する者を指します。外交官と自衛官、2つの側面を持つことから、別名“制服を着た外交官”とも呼ばれています。23年1月現在、日本からは49の大使館と2つの国際機関の代表部に72人もの防衛駐在官が派遣されています。本誌連載『AirMail』でも、毎月世界各国の防駐官からのレポートが掲載され、防駐官の活躍ぶりと任務の多様性が紹介されていますね。彼らの主な任務は、現場でしか得られない「生きた」軍事情報の収集。家庭でのパーティも重要な手段です。そのため、防駐官の家族も一丸となって各国の防駐団との交流を深めています。今回、そのおもてなし術を取材させていただいた防駐官の皆さんそれぞれが、家族への感謝を口にされていたのが印象的でした。その奮闘ぶりをご紹介します。

自衛隊インターンシップ誌上リポート

ライター 古里 学

今回の体験入隊の取材で、いちばん印象に残ったのが、気をつけや敬礼などの基本動作の訓練です。単純な動作なのですが、自衛官のようにピシッときめるのはなかなか難しく、参加者はけっこう四苦八苦していました。

その様子を見ながら、以前からずっと思っていた、「自衛隊の気をつけはなぜ手を握るのか」という疑問が再び湧き出してきました。学校では指を伸ばして体側にそろえると習い、警察や戦前の旧軍でもそうしています。岐阜大学の渡邊義行論文によると、「気をつけ」という言葉自体は室町時代からありましたが、気をつけの姿勢は江戸時代末期に幕府が外国の近代的な軍事調練を受け入れたときから導入されたようです。ただし、明治元年に翻訳されたフランスの軍事教練の本の挿絵では、小指を体側につけ手のひらを相手に見せるように広げて立っている姿勢でした。その後明治時代の体育教本では、今のような手のひら全体を体側につける姿勢になり、今日に続いているようです。

戦後自衛隊が握りこぶしの気をつけをするようになったのは米軍の影響らしく、スウェーデン軍もそうだとか。ただし、なぜ握りこぶしなのかというのは、相手に手の内を見せないためとか諸説ありましたが、はっきりとした理由はわかりませんでした。誰か知っている人がいたら、教えていただけると幸甚です。

カメラマン 荒井 健

コロナ禍で開催が見送られていた体験会が再開されたので撮影に行ってきました。

撮影する私も楽しみにしていたチヌーク搭乗体験に始まり様々なプログラムが用意されていて、目が回るほどのタイムスケジュールの中、緊張、戸惑い、興奮が次々にやってくる。ホントだよ。

大人になってこんな体験なかなかない!

もし募集があった時に迷っていたならば絶対に参加したほうがいい。

最後にはなんでも答えてくれる現役自衛官による質問会。

本当になんでも質問していいし親切に答えてくれるよ。

朝に緊張していた顔は帰り際に皆さん笑顔で満足そう!

次は是非あなたも参加して笑顔で帰ってほしい。

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Military Report

陸で戦う海上自衛官 港湾の侵入者を撃て!
海上自衛隊 横須賀陸警隊

ライター 魚本 拓

海上自衛隊といえば、護衛艦や潜水艦などの水上艦艇を運用している実力組織――とは、誰もが知るところでしょう。少々詳しい人であれば、海自にも航空機を運用する部隊がある、とご承知のことと思います。では、陸上自衛隊かと見紛うほどの個人装備を各隊員が身に着けた地上部隊があることをご存じの方はおられるでしょうか。それが今回のミリレポで取材した、海自の陸警隊です。

陸警隊は海自の各地方隊の警備隊に置かれ、基地などの施設の警備を担う部隊。今回取材したのは、横須賀地方隊に所属し、横須賀市に点在する6地区の海自の施設を、24時間体制で警備する陸警隊です。同隊では、主任務となる警備のほかに、基地への不審者侵入を想定した訓練を日々、実施しており、さらには儀仗隊への参加や、観艦式などの際に使用する礼砲台の整備・運用なども行っています。その多岐にわたる任務にご興味のある方、また、部隊の任務をサポートする警備犬も登場していますので、愛犬家の方にも、本誌をお手にとっていただければ幸いです。

カメラマン 村上 由美

最初に部隊の方々にお会いした時の印象は格闘技をしている人に似た雰囲気があって怖いくらいでしたが、一日撮影で一緒にいたらチームプレイをする人たちの特有の優しさや寛容さがあるなという印象に変わりました。

侵入者に備え、直接人と組み合って格闘をする覚悟がある人たちはとにかくそれだけでかっこいいし、細身に見える方でも信じられないくらい重い装備(ベストを単品撮影の際に持たせてもらいましたが、なんとか持てる…くらいでした)を身につけて普通に動いているし。警備犬も、犬の怖さを思い出させてくれる面もありながら、ハンドラーにかかればボール一つで言うことを聞かせられちゃっていたり。ハンドラーもペットではない犬との付き合い方は難しいことがたくさんあるとは思うのですが、警備犬それぞれの個性も踏まえて接し方も変えていたり。動物まで含めてとにかくコミュニケーションが重要なのだと思いました。

一日中外での撮影に付き合っていただき、最後は海風が吹き荒ぶ中、何度も立ち位置を調整しての撮影でしたが、私の手際が悪くてもお付き合いいただいた部隊の皆さんに、最後にお礼を伝えたら「楽しかったです」とまで言ってくださった方もいて、もう本当にかっこいいですし、感謝しかありません!

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