MAMOR(マモル)2023年4月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

特集

最近の宇宙服はカッコいいけど機能はどうなの?
過酷な環境下で戦うために機能がすごい自衛隊特殊服!

Military Report

管理職になっても空を駆ける!
空自パイロットは生涯・臨戦態勢
航空自衛隊 中部航空方面隊司令部支援飛行隊

編集後記

編集長 高久 裕

2022年、アメリカの民間企業スペースX社が開発した宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げニュースで見た、クルーが着用していた宇宙服のカッコよさに驚きました。まるで、SF映画に出てきそうです。それまでに見たことのある宇宙服といえば、1954年のアメリカ映画『海底二万哩』に出てきた潜水服と大差ないイメージでした。アメリカが中心となったアルテミス計画を始め、世界各国で宇宙開発計画が発表されています。生身の人間が生存できない宇宙空間で活動するための“特殊服”である宇宙服、これからどのように進化していくか、楽しみです。同様に、国防のために過酷な環境下での活動を強いられる自衛隊が活用する特殊服も気になります。どちらの特殊服も本誌で紹介します。ぜひお楽しみください。

特集

最近の宇宙服はカッコいいけど機能はどうなの?
過酷な環境下で戦うために機能がすごい自衛隊特殊服!

ライター 真嶋 夏歩

自衛隊は日頃から、万が一の敵の侵略や自然災害による状況を想定し、日本の国民を守るための任務に当たっています。その活動範囲は火の中、水の中、空の上と、実に多彩。さらに過酷な環境下、爆発物の処理や化学兵器、ウイルスなどへの対応も要求されます。特殊な環境での任務を行うためには、ある機能に特化した特殊服が必要不可欠。今回は多彩な機能を備えた「自衛隊特殊服」を特集しました。特殊服を着こなすための訓練も含め、実際に特殊服を身にまとう隊員たちの声もお届けします。

Military Report

管理職になっても空を駆ける!
空自パイロットは生涯・臨戦態勢
航空自衛隊 中部航空方面隊司令部支援飛行隊

ライター 魚本 拓

あらゆることを自前でこなす「自己完結型組織」といわれる自衛隊には多種多様な仕事がある――というのは本誌の本年2月号の特集でしたが、今月号のミリレポで紹介するのもまさにそんな部隊です。航空自衛隊の入間基地に所属する、その名も「中部航空方面隊司令部支援飛行隊」。耳慣れない同隊の任務はといえば、パイロットの資格を持ちながら、今はデスクワークなどに従事している空自の隊員が、いつでも航空機を操縦できるよう、操縦士としての技量を維持しておくための飛行訓練をサポートする、というもの。航空機パイロットという高度な人的資源を保持するための、いわば痒いところまで手が届く部署までが組織内にしっかりと存在することに驚かされた次第です。

その詳細は本誌にゆずるとして、ここからは取材時に印象に残ったエピソードをひとつ。お話をうかがった同隊のある空士長の隊員は、入隊当時、事務職を希望していたといいます。ところが、職種の適性検査を受けた結果、与えられた任務は航空機の整備の仕事。あまりの想定外の配属先に当初は驚いたものの、仕事を続けていくうちに、それが意外と自分に合っていると気づいたそうです。その空士長は、思えば幼少の頃からNHK・Eテレの「ピタゴラスイッチ」が好きだったとのこと。「あの番組に出てくる装置とか、機械の仕組みとかに興味があったことが今の航空機整備の仕事につながっているのかもしれません。そう思うと、適性検査って、その人に何が向いてるのかを案外ちゃんと診断するんですね(笑)」とは、本人の弁。実際、若年の空士長とはいえ、フライト前の航空機の点検では、手慣れた様子で作業にあたり、機上のパイロットと手信号でやりとりする姿も堂に入ったものでした。この女性隊員のインタビューも掲載されていますので、興味をお持ちの方は本誌をお手にとっていただければ幸いです。ちなみに、この隊員と航空機との組み合わせからふと想起したのが『ひそねとまそたん』だったことはいうまでもありません。

カメラマン 村上 由美

今回取材した部隊も、MAMOR刊行以来こんなにいろんな部隊が出ているのにまだまだ取材できていない部隊があるのですね、と感心しました。

編集の方から初めて聞いたときに頭の中では教習所的なイメージが頭に浮かび、階級が上の人に指導をすることもあるとも聞いたので、これはデブリーフィングの時間なんかもちょっと取材のしがいを感じるような雰囲気なのではと想像しました(実際は硬い雰囲気でした)。

密着で朝の気象ブリーフィングから自転車で移動する姿からデブリーフィングまで見させてもらいましたが、上空での二人の会話も聴いてみたかったなと、少しだけ教習所的な会話があったりして…なんてまだ妄想をしています。

そして私がブルーインパルスの追っかけ(?)をしていた頃の5番機パイロット(ちなみに私は5番機が一番好き)の井川3佐がまたT-4に乗っていらっしゃる姿を撮ることができて感無量です!

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