MAMOR(マモル)2022年7月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

特集

防衛省全面協力の話題作
『シン・ウルトラマン』と新しい自衛隊の描かれ方
【防大准教授が説く】初代『ゴジラ』から『シン・ウルトラマン』まで
エンタメ作品で描かれる自衛隊変遷史概論

Military Report

検査・治療を一元化する航空医療の拠点が誕生!
空飛ぶ自衛隊病院 自衛隊入間病院

編集後記

編集長 高久 裕

初代『ゴジラ』から、最新作の『シン・ウルトラマン』まで、自衛隊が出てくる映画、ドラマは、ほとんど全作を観てきたつもりです。昔の自衛隊は、怪獣のやられ役といったところで、入間基地に展示されているF-86などは、広報官が、「最も多くゴジラに打ち落とされた戦闘機です」と自嘲気味に紹介するほどです。それが、時を重ねるごとに、活躍を見せるようになり、『シン・ウルトラマン』の作品世界では、ウルトラマンの手助けなしに、自衛隊が禍威獣を退治しています。そういったエンタメ作品における自衛隊の描かれ方の変遷を資料にまとめ、自衛隊史の授業に使っている先生が防衛大学校にいらっしゃることが分かり、マモルでは、その資料を元に特集を組んでみました。映画『シン・ウルトラマン』を観て感激した人、または、これから観ようと思っている、自衛隊ファンにとっては、必読の特集ですよ。

特集

防衛省全面協力の話題作
『シン・ウルトラマン』と新しい自衛隊の描かれ方

【防大准教授が説く】初代『ゴジラ』から『シン・ウルトラマン』まで
エンタメ作品で描かれる自衛隊変遷史概論

ライター 古里 学

今回のエンタメ特集の原稿を書くために、久し振りに1954年公開の『ゴジラ』を観ました。再見してちょっとびっくりしたのは、志村喬扮する古生物学者の山根博士が、貴重な生物としてゴジラへの攻撃に反対して保護するよう主張しているところ。

実は『シン・ゴジラ』公開時にマモルで、もしゴジラが日本に上陸してきたら自衛隊はどう対処するのか、その法的根拠はという内容の有識者による座談会を行ったのですが、その中でゴジラは正体不明の生命体だから、万一傷つけたら世界中の自然保護団体から抗議が殺到するかも、という話が出ました。同じような意見を、すでに70年も前のファースト・ゴジラで言っていたんですね。

映画ではいきなり実力組織が(「東宝自衛隊」というそうです)問答無用で発砲していましたが、そもそも法律は人間相手にできているもの、たとえ凶暴なゴジラでもまずは防衛省設置法第4条1項18号の調査・研究を行って、それから対処ということになるとのこと。

生き物相手ということでは、1967年に北海道庁の要請で北部方面隊第1特科団がトドの駆除に出動したことがあります。ゴジラほどではないにしてもトドのオスは体長3メートル、体重500キロ超。十分に脅威です。

Military Report

検査・治療を一元化する航空医療の拠点が誕生!
空飛ぶ自衛隊病院 自衛隊入間病院

ライター 臼井総理

自衛隊病院は、自衛隊員やその家族にとっての職域病院であるだけでなく、国防の一翼を担う重要な組織だということは、マモル読者の皆さんならご存知だろう。特に、一昨年に起きたクルーズ船での新型コロナウイルス感染症発生時、自衛隊中央病院が大きな役割を果たしたことは記憶に新しい。

自衛隊入間病院は、長年にわたって練られてきた自衛隊病院改革、衛生科改革のシンボルともいえる存在。今回取材で見せていただいた設備は、随所に新しいものも取り入れられ、今後長く使えるよう整えられていたし、各所から集結したスタッフも、皆やる気に満ち、何より病院内が明るい雰囲気に包まれていたのが印象的だった。

あとは、病院関係者の皆さんの努力、そして私たち国民の応援があれば、入間病院は、長く自衛隊の、そして国民のための病院として活躍してくれることだろう。自衛隊病院の活動に、皆さんもぜひ注目していただきたい。

フォトグラファー 増元 幸司

7月号では入間病院の取材撮影を担当させて頂きました。入間基地内に建設された新病院です。取材撮影をしていて驚いたのですが、とにかく施設のレイアウトがとても広くゆったりと作られていました。その余裕を持ったレイアウトの訳は、緊急時に沢山の患者を受け入れる事態を考慮して広く作られたそうです。常に非常時を想定している自衛隊にも驚きました。開院セレモニーに列席する隊員の皆さんは、終始、直立不動の姿勢でした。その姿が深く印象に残っております。改めて、自衛隊員の凄さ(規律の良さ)に感心致しました。

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