第5回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)

2023年11月7日
防衛省

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11月7日、午後3時35分から午後5時10分まで約95分間、木原稔防衛大臣は、上川陽子外務大臣とともに、グラント・シャップス英国国防相(The Rt Hon Grant Shapps MP, Secretary of State for Defence of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)及びジェームス・クレバリー英国外務・英連邦・開発相(The Rt Hon James Cleverly MP, Secretary of State for Foreign, Commonwealth and Development Affairs of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)との間で、第5回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を実施したところ、概要は次のとおりです。また、4閣僚は、共同声明を発出しました。

1 総論

  1. 冒頭、木原大臣から、日英関係は幅広い防衛・安全保障分野において発展しており、戦略的利益を共有するパートナーとして日英が協力し、共通の課題に足並みをそろえて対応していきたい旨述べました。
  2. 4閣僚は、本年5月に首脳間で発出した「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード」のビジョンを再確認した上で、それぞれの重要分野における実質的な進展を歓迎し、同文書のあらゆる側面を実現するというコミットメントを改めて確認しました。
  3. また、4閣僚は、国際安全保障環境が一層厳しさを増す中で、欧州大西洋とインド太平洋の安全保障と繁栄は不可分であるとの認識を共有し、世界のいかなる場所においても、力又は威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することを強調しました。さらに、4閣僚は、経済的威圧に対する強い反対を表明するとともに、引き続き協働する意図を確認しました。

2 安全保障・防衛協力

  1. 4閣僚は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、海洋安全保障分野を含め、具体的な協力を進めていくことを確認しました。4閣僚は、北朝鮮の船舶による「瀬取り」等の違法な海洋活動に対する警戒監視活動を含む、英国がインド太平洋に恒久的に展開している2隻の哨戒艦の活動のルールに基づく海洋秩序への重要な貢献を歓迎しました。4閣僚は、2025年に計画されている英空母打撃群のインド太平洋への派遣がもたらす機会を最大化すべく協働していくことにコミットしました。
  2. また、4閣僚は、日英部隊間協力円滑化協定(RAA)の発効、及び今月実施される陸軍種間の実動訓練「ヴィジラント・アイルズ23」において、同協定の利益がもたらされることを歓迎するとともに、相互運用性を向上させ、より頻繁かつ複雑な演習の一層野心的な計画を実現すべく、同協定の適用を確保していくことで一致しました。また、4閣僚は、自衛隊によるアセット防護措置の適用に向けた防衛当局間の議論が前進していることを歓迎しました。
  3. 4閣僚は、グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)の進捗を支持し、2035年までに次世代戦闘航空機を開発するというタイムラインの遵守の重要性を強調しました。
  4. 4閣僚は、同盟国・同志国との連携の強化の重要性について一致しました。また、4閣僚は、サイバーや宇宙等の新領域での協力の進展を強調するとともに、経済安全保障、情報戦、女性・平和・安全保障(WPS)等の分野においても緊密に連携していくことで一致しました。

3 地域情勢

  1. 4閣僚は、ハマス等によるテロ攻撃への断固とした非難を表明し、人質の即時解放及び市民の安全確保、全ての当事者による国際法の尊重並びにエスカレーション及びより広範な地域の一層の不安定化の防止のための外交努力の倍加が極めて重要であることを改めて確認しました。また、4閣僚は、国際法に従って、自国及び自国民を守るイスラエルの権利を強調しました。4閣僚は、人道状況の改善や、外国籍の人々の退避の確保のための連携を確認しました。さらに、4閣僚は、「二国家解決」に基づく、公平で、永続的かつ包括的な中東における平和の必要性を改めて表明しました。
  2. 4閣僚は、東アジア情勢について意見交換を行い、中国をめぐる諸課題への対応や、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
  3. 4閣僚は、ロシアによるウクライナ侵略を可能な限り最も強い言葉で改めて非難し、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことを確認しました。