日米豪防衛相会談共同声明(仮訳)

2022年6月11日
防衛省
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 2022年6月11日、シンガポールにおいて、第19回アジア安全保障会議(2022年シャングリラ会合)の機会に、リチャード・マールズ豪州副首相兼国防大臣、岸信夫日本国防衛大臣及びロイド・オースティン米国国防長官は、三か国防衛相会談を開催した。これは、日米豪防衛大臣による第10回目の会談である。三大臣は地域の安全保障環境について意見交換し、インド太平洋地域の安全、安定及び繁栄を確保するために具体的かつ実践的な取組を共に進めることにコミットした。同会談において、三大臣間でこの戦略の整合性調和を確認したことを受け、各省は、三か国の外交当局の重要な取組を支援しつつ、地域の安全保障の利益のために三か国の防衛協力を強化し続けることを計画している。

 三大臣は、ルールに基づく国際システムを揺るがす威圧や安定を損なう行動に反対する。ロシアによるいわれのない、不当で不法なウクライナへの侵略に対する結束した対応が示すように、三大臣は力による一方的な現状変更の試みに引き続き対峙する。この侵略は、国連憲章を含む国際法のあからさまな違反であり、三大臣は、ロシアがウクライナ全域において甚だしい戦争犯罪を犯していると信じる理由がある。三大臣は、ロシアに対し、直ちに部隊を撤退させウクライナの領域への攻撃を停止すること、3月16日の国際司法裁判所の法的拘束力を持つ命令に従うことを求める。

 三大臣は、地域の平和と安定を損なう、厳しさを増す東シナ海における安全保障環境について懸念する。三大臣は、この地域における現状の変更を試み、緊張を高めるいかなる安定を損なう又は威圧的で一方的な行動にも強く反対する。

 三大臣は、南シナ海における状況に関する深刻な懸念を共有し、係争のある地形の軍事化及び威圧的又は威嚇的な行動による、現状を変更し又は影響を及ぼそうとするいかなる一方的な試みにも反対する。三大臣は、特に国連海洋法条約に反映された国際法と整合的でない中国の南シナ海における不法な海洋権益に関する主張及び活動に強く反対する。三大臣は、2016年の南シナ海仲裁裁判所の判断が、最終的で当事国を法的に拘束することを再確認する。三大臣は、航行及び上空飛行の自由並びにその他の適法な海洋の利用を含む、特に国連海洋法条約に反映された国際法に従って、紛争を平和的に解決することの重要性を強調する。また、三大臣は、自由かつ適法な通商への支持を再確認する。

 三大臣は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す。

 三大臣は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の一体性・中心性に対する揺るぎない支持を再確認し、また、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)を通じたものを含め、前向きな規範及び行動を促進し、地域の安全保障に貢献し、コンセンサス及び実践的な地域の協力を形成する上での、ASEANの重要性を再確認する。

 三大臣は、北朝鮮による地域への深刻な脅威に対処する国際的な取組に引き続きコミットする。三大臣は、度重なる大陸間弾道ミサイル発射を含む、不安定化をもたらす不法な北朝鮮の核兵器及び弾道ミサイル開発を非難する。三大臣は、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化を達成することの重要性を強調する。三か国の政府は、違法な「瀬取り」やその他の違法な海洋活動を抑止し中断させるための協力的な取組を通じた、全ての関連する国連安保理決議の実施へのコミットメントを再確認する。三大臣は、北朝鮮に対し、日本人拉致問題を即時に解決し、人権侵害を終わらせるよう求める。

 三大臣は、主権が尊重される、安全で繁栄した太平洋地域を支持するため、太平洋のパートナーと協力して、海洋安全保障を支持し、自然災害による圧力の高まりに対応し、気候変動の影響に対処することを含め、太平洋島嶼国との協力を深化させることにコミットする。三か国は、特に太平洋諸島フォーラムなどの包摂的で太平洋中心の枠組みを通じ、地域への関与の拡大及び太平洋のパートナーとの協力強化を継続するとともに、南太平洋国防大臣会合(SPDMM)や日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)などの他のフォーラムの重要性を認識する。

 地域の安定を支えるための各国部隊の死活的な役割を認識し、三大臣は、次の分野における具体的な会談の成果を確認した。

三か国の活動及び演習

•三か国の演習を増加・強化し、相互運用性及び即応性を向上させる。

•2021年の自衛隊による豪州国防軍への自衛隊法第95条の2に基づく警護の実施を踏まえ、三か国の活動中では初となる警護を実施する。

•日豪円滑化協定(RAA)及び他の同盟の枠組みにより促進される訓練機会を拡大する。

•地域の災害及び危機に対し、協調した対応を促進する。海洋分野の能力構築支援での協力を深化させる。

協力の拡大

•三か国の協力を推進するための研究・開発・試験・評価の枠組みを作るために必要な調整を行うよう部局に指示する。

•先進技術及び戦略能力に関する三か国協力を探究・追求する。

切れ目のない調整

•情報交換に関する三か国の仕組みを効果的に活用する。

包摂的パートナーシップ

•世界中のあらゆる場所に妥当する民主主義、透明性及び国際規範の尊重という価値を維持するため、欧州や志を同じくするパートナー及び同盟国とのインド太平洋への関与を深化させる。

 

 三大臣は、それぞれの二国間関係が三か国のパートナーシップを深化させ、地域の平和と安定を維持する上で強固な基盤を提供することを認識する。集団的な行動の強さを認識し、一国では地域の平和と安定を達成できないとの見解を共有しつつ、三大臣は、協力を拡大し、他の同志国との包摂的パートナーシップを構築し、新しく革新的な分野での防衛協力の範囲を拡大し、インド太平洋地域の自由で、開かれ、繁栄する未来を確保するために広範に協力する。

 

岸防衛大臣の第19回IISSアジア安全保障会議への出席及び三国間・二国間会談等について