航空開発実験集団の役割

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1 全  般

(1)使命
 航空開発実験集団の使命は、航空自衛隊における航空装備品等の研究開発業務を一元的に担任し、航空防衛力の質的優位を確保することにあります。 このため航空開発実験集団は、絶えず最新の科学技術動向を把握し、航空装備品等と航空医学、人間工学等との一体化した一貫性のある研究開発業務を実施するため、飛行開発実験団、電子開発実験群及び航空医学実験隊を総合的に運用しています。また作戦運用の要求に立脚する航空装備品等の研究開発を適確に実施するため、防衛装備庁、並びに航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、補給本部及び幹部学校との連携を密にしいてその使命を完遂しなければならないと考えています。

(2)任務
 航空開発実験集団の主たる任務は、兵器体系研究の構想段階における基礎的運用研究、装備化段階における実用試験等、運用段階における技術的追認等、並びに航空医学、心理学、人間工学等に関する研究開発を行うとともに防衛装備庁が実施する技術試験等に対する協力を行うことです。

(3)本領
 研究開発部隊である航空開発実験集団の本領は、科学技術(シーズ)と作戦運用の要求(ニーズ)の融合を適切に図ることにより、作戦運用の要求に応える航空装備品等の研究開発を迅速に行うことです。  航空開発実験集団は、構想段階、確定段階から作戦運用と一体となって航空幕僚監部を積極的に支援するとともに、装備化段階においては、主体的に各種試験の準備、試験、評価を周到な準備、追随を許さぬ創意、応変の柔軟性をもって遂行し、更には、技術的追認、技術改善により迅速に航空装備品等の改善を図ることでその本領を全うします。

(4)態勢
 航空開発実験集団は、その任務と、広範かつ高度な科学技術に立脚する航空防衛力の特質にかんがみ、不断に技術幹部、試験飛行操縦士等の人材育成に努め、研究開発部隊としての組織的な研究開発能力を向上させ、科学技術の動向に応じた万全の態勢を維持します。同時に、コンプライアンスの遵守を基本とし、厳正な規律、強固な団結及び旺盛な士気を維持し、もって研究開発専任部隊としての精強化をめざします。


2 航空開発実験集団の活動指針

      



最先端の科学技術に基づく将来の航空防衛力の『創造』
 航空自衛隊がその使命を果たす上で航空防衛力の質的優位を確保することは必須の要件です。この航空防衛力の質的優位を確保することこそが航空開発実験集団の使命です。  「空の勝利は技術に在り」、航空自衛隊を戦勝に導く最先端の科学技術とは何であるかを洞察し、航空装備品等への反映を通じて将来の航空防衛力を創造することで世界第一級を追求し続けます。




作戦運用に立脚した航空装備品等の迅速な開発・改善への『挑戦』
 科学技術と作戦運用の要求の融合を適切に図ることにより、作戦運用に立脚した航空装備品等を迅速に開発・改善することが航空開発実験集団の本領です。  新規航空装備品等の戦力化のために航空開発実験集団は常に未知の領域に挑戦し続けなければなりません。その際、作戦運用と一体化した研究開発サイクル(試験評価の各段階における運用者との意見交換等)の確立、迅速な開発・改善のため後方と連携した予算・制度上の制約の克服によりその本領を発揮します。



専門家としての高い能力と優れた人格を備えた『信頼』される人材の育成
 航空開発実験集団にとって最も重要なことは、その本領を発揮し、運用者の信頼を得ることです。そのためには、研究開発組織及び活動の基盤となる優れた人材を育成する必要があります。  教育、補職、そして自学研鑽の三本柱によって、幹部、准曹士、事務官等それぞれに求められるプロフェッショナルとしての知識・技能を効果的に向上させるとともに、「積極進取」「迅速機敏」「柔軟多様」の気風及びコンプライアンスを基調としたエアマンシップを継承する人材の育成により、さらなる『信頼』の醸成を図ります。


3 航空開発実験集団の部隊章について


 中央矢印のマークは従来から飛行開発実験団が所属の航空機等にシンボルマークとして描いた図形をアレンジし、進歩発展、飛翔の象徴としました。  楕円は、電子の軌道のイメージを持ち、新技術、宇宙開発などへの思いを込めたものです。  総じて紺青色の空を背景に、情熱を示す赤色の矢印が軌道の輪を突き抜け、限りない未来に向けて進歩発展の飛翔を続ける様を表現したものです。また、赤色は人血の色として、航空医学を象徴的に表現したものです。






4 航空開発実験集団が行う研究開発業務