概要
一般空曹候補生及び自衛官候補生等として入隊した隊員の中から、それぞれの所要期間経過後、選考により3等空曹へ昇任が見込まれている者が「空曹予定者」に指定されます。指定後、航空教育隊(山口県の防府南基地または埼玉県の熊谷基地。ただし女性は全て防府南基地)において、約2か月間空曹として必要な知識・技能(分隊の指揮、体育の指導等)を修得し、本課程を卒業した後は、それぞれの所属部隊で空曹に昇任し、空曹として活躍をしていくこととなります。
今期は第1教育大隊(第11中隊及び第13中隊)及び第2教育大隊(第21中隊)が担当し、厳しく大変濃厚な教育訓練期間となります。
入校式
新年を迎え、令和4年1月6日(木)、航空教育隊副司令を執行者として迎え、第26期空曹予定者課程の入校式が行われました。
入校式では、参列者にはマスク着用の上、前後左右の距離間隔を広く取り、隊歌は斉唱を控えて吹奏とするなど、新型コロナウイルス感染症拡大防止を徹底したうえで実施されました。
主に東日本の各部隊から集まった空曹予定者は、空曹としての資質を養うため、これから約2か月半にわたる課程教育に邁進していきます。
開始時体力測定
寒さ厳しい中、令和4年1月12日(水)~13日(木)にかけて、課程開始時における体力測定を行いました。
体力測定は、課程における目標等級が定められており、課程開始の体力測定では、自己の能力を把握させ、本課程を通じて個々の練成計画のもと、目標に向かって空曹に相応しい体力を身につけます。
卒業時体力測定では、本課程での練成成果を十分に発揮してもらいたいです。
導入期点検
課程期間の導入期、令和4年1月19日(水)に導入期点検を行いました。
導入期点検では、空曹としての必要な基礎的知識の修得状況及び課程履修にあたっての心構えを確認します。
修学目標である「自ら考え、行動できる空曹」を具現化するために、自分自身の考えを確立させるとともに、居住区の管理を班員と協力して整え、点検に臨みました。
評価は5段階中、最高位の「優秀」を目指すものの、結果は、3番目の「良好」でありました。
これを現時点の能力と受け止めるとともに、自分たちの成長を信じて精進し、完成期点検においては、是非「優秀」をとってもらいたいです。
野外行動訓練
学生は約30Kmの道のりを重い装備と小銃を携行し、隊列を組んで目的地を目指します。行進中は、通信機器の断線を想定した伝令方法、分隊員の負傷の際の救護処置を想定した訓練も行われます。また、担架搬送や経路変更等、疲労が蓄積した状態で分隊長(学生)としていかに冷静かつ適切に対応できるか、分隊長のリーダーシップが問われます。
新型コロナウイルス感染症対策として、隊員間の間隔を開き、うがい手洗い、検温を実施しました。
徒歩行進は、ただの移動手段にすぎず、到着した後の活動が我々の任務となります。今回の訓練で3等空曹として必要な気力、体力、判断力等を涵養させることができました。
拠点警備部隊訓練
令和4年2月23日(水)~2月28日(月)の間、各中隊は2日間にわたり拠点警備部隊を編成し、基地内で訓練を行いました。
学生は予め、座学で基地警備に関する法令を確認した後、分隊長として基地内の拠点警備を行うという想定で分隊の指揮を執ります。当日は、各想定に基づき行われ、昼間及び夜間の警戒監視方法や武器を持った不審者への対応要領等を演練し、また、訓練後の待機時間を利用して訓練時の行動について再確認し能力の向上に努めました。
昼夜に亘った訓練で、警備部隊の一員としての能力及び分隊長としての指揮能力を修得することができました。
修了時体力測定
浅春の中、令和4年3月4日(金)に、修了時における体力測定を実施しました。約2か月間、本課程での練成成果を発揮するのに絶好の日和に恵まれました。
競技会
令和4年3月7日(月)~3月8日(火)の2日間で、各中隊は武道競技会を実施しました。
本競技会は、選手としてはもちろんのこと、学生自身が企画や運営を行います。普段は同期として絆を深めている関係ですが、競技中は好敵手として果敢に技を競い合い、試合が終わるとお互いの健闘を称え合っていました。
課程期間に養った礼節心、武士道精神及び敢闘精神の成果がここで発揮されました。
完成期点検
令和4年3月14日(月)~3月15日(火)の2日間で、群司令(点検官)による完成期における点検を実施しました。
入校以来、野外行動訓練や拠点警備部隊訓練等、各種訓練を通じて、空曹として必要なリーダーシップやフォロワーシップの修得に努めるとともに、「自ら考え、行動できる空曹」となるべく、主体的な学生活動に取り組んできた結果の集大成です。
学生は気合十分で受検し、点検官から高い評価を受けました。
卒業式
令和4年3月17日(木)に、卒業式を実施しました。式典は新型コロナウイルス感染対策を徹底したうえで執り行われました。
第26期空曹予定者課程では、2教群が一丸となって教育することを主眼とし、各大隊長の指導のもと、教官達の熱意あふれる教育により、「自ら考え、行動できる空曹」という修学目標を達成することができました。
新型コロナウイルス感染対策により、各種訓練等が制限される中ではありましたが、教官達は創意工夫し、学生達は努力を重ね、空曹として必要な知識や技能及び心構えを修得し、卒業の日を迎えました。
学生達には、本課程で身につけたリーダーシップ等、空曹としての能力を今後も更に磨き、全国で活躍することを祈念します。
第26期空曹予定者課程 航空教育隊司令褒賞受賞者
所 属 | 階 級 | 氏 名 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 古舘 康平 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 田沢 空 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 高垣 裕也 |
中部航空警戒管制団(佐渡) | 空士長 | 小田 甚永 |
第1輸送航空隊(小牧) | 空士長 | 安齋 颯 |
航空救難団(新潟) | 空士長 | 佐藤 壮樹 |
航空教育隊(防府南) | 空士長 | 大友 湧輝 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 又村 友士 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 下河原 奎士 |
航空開発実験集団(府中) | 空士長 | 福江 洋喜 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 藤井 亮 |
航空教育隊(防府南) | 空士長 | 徳安 亨大 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 下坂 昂太 |
第2輸送航空隊(入間) | 空士長 | 倉爪 涼 |
第3航空団(三沢) | 空士長 | 青木 駿 |
航空救難団(新潟) | 空士長 | 西村 博孝 |
中部航空警戒管制団(大滝根山) | 空士長 | 古澤 敦樹 |
航空教育隊(防府南) | 空士長 | 三坂 大也 | 作戦情報隊(根室) | 空士長 | 池田 颯 |
第4航空団(松島) | 空士長 | 小村 崇志 |
第1航空団(浜松) | 空士長 | 酒本 創一郎 |
第26期空曹予定者課程 第2教育群司令褒賞受賞者
所 属 | 階 級 | 氏 名 |
第3高射群(千歳) | 空士長 | 吉田 陸 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 中居 秀明 |
第6航空団(小松) | 空士長 | 中村 優希 |
中部航空警戒管制団(入間) | 空士長 | 井川 真 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 小杉 剛一 |
北部航空警戒管制団(奥尻島) | 空士長 | 谷崎 哲弥 |
第4航空団(松島) | 空士長 | 小林 祐貴 |
第6航空団(小松) | 空士長 | 平田 智之 |
第2補給処(岐阜) | 空士長 | 清水 亮太郎 |
航空気象群(府中) | 空士長 | 田﨑 陽斗 |
第7航空団(百里) | 空士長 | 原口 心 |
航空気象群(入間) | 空士長 | 上岡 拓矢 |
第1高射群(習志野) | 空士長 | 田中 康也 |
第6航空団(小松) | 空士長 | 竹田 真士 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 細川 翔平 |
第3高射群(千歳) | 空士長 | 高橋 智哉 |
第4航空団(松島) | 空士長 | 池田 泰雅 |