司令官日記

自衛艦隊のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

横須賀も桜が咲きはじめ、春風が心地よく過ごし易い季節となりました。自衛艦隊は、新たな年度においても、引き続き与えられた任務に誠実かつ精強・即応の精神で臨み、同盟国・同志国等との緊密な連携に努めています。
それでは3月中の主な活動について紹介します。
●3月14日、チリ海軍司令官ファン・アンドレス・デラマサ大将の来訪を受けました。懇談を通じて、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、太平洋を通じた隣国であるチリ海軍との防衛交流を一層強化することを確認しました。


●3月15日、米国海軍大学院学長兼最高学術責任者スコット・ジークムント・ガートナー博士及び元米海軍第7艦隊司令官フィリップ・グレイソン・ソーヤー氏(退役中将)の来訪を受け、引き続き、米海軍との共同演習等における学術的見地からの協力を要請しました。

●3月19日、自衛艦隊後期指揮官会議を開催しました。本会議では、自衛艦隊の各級指揮官が一堂に会し、我が国を取り巻く複雑な安全保障環境の中で、効果的かつ効率的な部隊運用方針等について活発な議論を行いました。

●3月24日、岡井朝子駐バーレーン日本国特命全権大使を表敬し、海上自衛隊の活動への多大なる支援に謝意を伝えるとともに、引き続き、海自艦艇のバーレーン寄港や親善訓練等のバーレーン海軍との防衛交流への協力を要請しました。

●3月24日、バーレーン王国国防大臣アブドゥラ・ビン・ハサン・アル・ヌアイミ陸軍中将及び同海軍司令官アフムド・モハマド・アル・ビン・アリ海軍少将と懇談し、中東地域の平和と安定は、国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要であるとして、バーレーン海軍と海上自衛隊がこれまでに築いてきた連携関係を一層強化することで一致しました。なお、バーレーン海軍司令官は、米国海軍大学留学時の同期であり、旧交を温めることができました。

●3月25日、バーレーン王国にて米中央軍海上部隊司令官・米海軍第5艦隊兼連合海上部隊司令官ジョージ・ワイコフ中将と懇談し、イエメンのホーシー派による商船攻撃やソマリア沖・アデン湾での海賊行為は、国際社会の平和と繁栄に対する深刻な脅威であることから、日米海軍種がこの地域においても強固な連携と高い相互運用性を維持・向上させることを約束しました。

●3月25日、バーレーン王国にて、第151連合任務部隊司令官アントニオ・ブラズ少将(ブラジル海軍)と懇談し、海賊行為は国際社会の平和と繁栄に対する深刻な脅威との共通認識の下、法の支配に基づく海洋秩序を維持するため、EU海上部隊をはじめとした国際連携を一層強化していくことを確認しました。

●3月26日、原圭一駐ジブチ日本国特命全権大使を表敬し、自衛隊拠点の運用に対する大使館の多大な支援に謝意を伝えるとともに、引き続き、自衛隊とジブチ軍との防衛交流の深化への協力を要請しました。

●3月27日、ジブチ共和国に活動拠点を置く派遣海賊対処行動航空隊及び同支援隊を視察し、派遣隊員を激励しました。中東・アフリカ地域における在外邦人等の安全確保という新たな任務が付与され、本活動の重要性が一層増していると訓示するとともに、曹士隊員との懇談や優秀な若年隊員へのチャレンジコインの贈呈等を行いました。

●3月27日、ジブチ共和国海軍司令官アフムド・ジャマ大佐と懇談し、自衛隊の海賊対処活動への多大なる支援について謝意を伝えるとともに、親善訓練やシップライダープログラムを通じて、ジブチ海軍と海上自衛隊がこれまでに築いてきた強固な連携関係を一層強化することで一致しました。

●3月28日、ジブチ共和国において、米アフリカ軍HOA(Horn of Africa)統合混成任務部隊司令官ジャミー・ショーリー陸軍少将と懇談し、海賊対処部隊へのキャンプ・レモニエ基地における施設利用等の多大なる支援に感謝するとともに、この地域においても自衛隊と米軍との強固な連携と高い相互運用性を発揮していくことで一致しました。

国家安全保障戦略等を踏まえ、自衛艦隊は隊員が一丸となって「即応」・「精強」・「誠実」を勤務方針として、24時間365日、一分の隙もない万全な警戒監視態勢を維持し、我が国周辺海域の平和と安定に努めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、力による一方的な現状変更の試みや法の支配への挑戦を抑止するために、これからも積極的に貢献して参ります。 皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。


令和6年4月
自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡