司令官日記

 自衛艦隊のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 万物が生長する5月、自衛艦隊もあらゆる事態に対応するために成長を続けるべく、引き続き全力を尽くしてまいります。
 それでは、私の1か月の活動を紹介します。


●4月4日、第22航空群(長崎県大村市)を視察しました。同部隊は、主として佐世保・呉基地を母港とする護衛艦に搭載する哨戒ヘリを運用するとともに、離島や船舶からの急患輸送任務なども担っている非常に重要な部隊です。ここでは、部隊の根幹を支える若い隊員が活き活きと勤務している姿を見ることができ、頼もしく感じました。


●4月5日、第43次派遣海賊対処行動水上部隊の護衛艦「すずつき」の帰国行事に参列しました。長期にわたる任務を無事完遂し、自信と充実感に満ちた顔つきの隊員を見て、とても誇りに思いました。また、本任務へのご理解とご支援を賜った各隊員のご家族・ご友人の皆様にこの場を借りて改めて心から感謝を申し上げます。

●4月5日、陸上自衛隊水陸機動団が所在する相浦及び崎辺駐屯地を研修しました。研修を通じて、島嶼防衛に係る水陸両用戦に関する現状認識と知識を深めることができました。

●4月10日、自衛艦隊と米海軍第7艦隊との連携の強化に大きく貢献された米海軍第7艦隊司令部作戦主任幕僚ジェフリー・ヤックレン大佐に感謝状を贈呈しました。

●4月13日、米海軍原子力推進機関部長ジェームズ・コールドウェル大将と懇談し、今後も強固な日米同盟に基づく抑止力、対処力の強化を図っていくことで一致するとともに、原子力機関に関する米海軍の徹底した安全管理についての説明を受けました。

●4月18日、米海軍第7艦隊副司令官エリック・エスリッチ少将が離任挨拶のため来訪されました。令和3年8月の着任以来、日米同盟の更なる強化及び米海軍と海上自衛隊との相互運用性の向上に貢献されたことへの心からの感謝をお伝えしました。

●4月18日、オランダ国防軍参謀長オンノ・エイヘルセイム空軍大将が来訪されました。懇談では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、今後も日蘭二国間及び多国間の枠組みでの海軍種間の防衛協力・交流を推進していくことで一致しました。

●4月21日、韓国・釜山において開催された日米豪韓の艦隊司令官が一堂に集うFleet Commanders’ Round Tableに参加しました。各国の艦隊司令官は、引き続き強固に連携して、高度な戦術訓練を実施するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、インド太平洋諸国との防衛協力等に積極的に共同で取り組み、同地域の平和と安定に貢献していくことで一致しました。

●4月24日、自衛艦隊と米海軍第7艦隊の相互運用性に大きく貢献された米海軍第7艦隊海上作戦センター部長 ジョン・ラヘイン米海兵隊大佐に感謝状を贈呈しました。

●4月25日、スペイン国防省国防政策担当局長フェルナンド・ロペス・デル・ポソ陸軍中将の来訪を受けました。懇談では、今後も協力して海賊対処を継続する重要性を確認するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日西2国間及びEU・NATOといった多国間の枠組みでの防衛協力・交流を強力に推進していくことで一致しました。

昨年末に制定された国家安全保障戦略等を踏まえ、自衛艦隊は隊員が一丸となって「即応」・「精強」・「誠実」を勤務方針として、24時間365日、一分の隙もない万全な警戒監視態勢を維持し、我が国周辺海域の平和と安定に努めるとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、力による一方的な現状変更の試みや法の支配への挑戦を抑止するために、これからも積極的に貢献して参ります。 皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。


令和5年5月
自衛艦隊司令官
海将 齋藤 聡